コロナに翻弄されるなか…「禁断の領域」に踏み込む菅政権
新型コロナウイルスの感染拡大に翻弄される日本政府は、かつての黒船来航に右往左往した江戸幕府とそっくりだ。自主性がまったく感じられない今の官僚たちは、ちょうど幕末の役人のようである。
ワクチン接種の遅れは安倍前総理や加藤前厚労相(現官房長官)のころから引きずっているものだが、彼らが官僚たちに裁量を与え、仕事をさせなかったことにも大きな原因がある。
政府がコロナに翻弄され続ける一方で、菅総理自身は着々と自分の計画を進めているように思う。最近、森友学園問題の渦中に亡くなった元近畿財務局の赤木さんが作成したとされる「赤木ファイル」がにわかに表に出て、国がその存在を認めた。菅総理は“安倍封じ”をしたのではないか。これで関係者への追及が再燃すれば、次期総裁選への出馬を考える安倍さんを抑え込めるというわけだ。
彼はみなが思っているよりずっとしたたかで剛腕である。そして、過去のどの総理も踏み込めなかった“禁断の領域”にも踏み込もうとしているように見える。偉業を成し遂げた英雄として、歴史に名を残そうと考えているように思われてならない。