変異株46都道府県に拡大…日本の医療崩壊はアッという間

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 8日の大阪の新型コロナウイルスの新規感染者数は905人。大半を変異株が占める現地の病床は深刻な事態だ。府の最新データからは、変異株の重症化リスクの高さがうかがい知れる。この先、全国に広がれば、あちこちで医療崩壊が起こるのは必至だ。

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■大阪の重症病床パンク寸前

 大阪の重症病床はパンク寸前だ。7日時点で運用174床に対し、重症患者158人と9割が埋まる。今後224床の確保を見込むが、昨年10月28日時点の確保計画数は215床。ほとんど増やせておらず、とても重症患者の急増に追いつけそうにない。

 吉村知事は今さら「医療非常事態宣言」発令でバタバタしているが、半年近くも病床確保をサボってきた反省の色なしだ。

 病床を確保しても、変異株は厄介だ。ウイルスが検出されなくなるまでの排出期間は、従来型より5~13日長いとされる。それだけ入院は長期化し、病床は空かない。

 さらに、7日の府コロナ対策本部会議の資料によると、大阪で確認された陽性者に占める重症者の割合は、第3波(昨年10月10日~今年2月28日)では40代以上5.5%、60代以上8.8%、全体3.2%だった。ところが、第3波と第4波(3月1日~4月5日)の変異株陽性者に限ると、それぞれ、10.7%、22.7%、4.7%に跳ね上がる。

「大阪のような事態はどこでも起こり得る」

 また、発症から重症化するまでの日数は、第3波の8日に対して、前出の変異株陽性者は6.5日と短くなるのだ。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。

「変異株によって、すぐに重症化し、入院も長引く。医療崩壊に至る要因ずくめです。実際、先に流行した欧州では重症病床が不足し、日本でも報じられていたのに、重症病床は大阪に限らず全国的に増やせていません。変異株が全国に広がれば、大阪のような事態はどこでも起こり得ます」

 厚労省によると、全国の重症病床確保数(計画)は昨年10月28日時点の3643床から3月31日は3664床。ほとんど変わっていないが、すでに変異株は全国に行き渡っている。

 厚労省と自治体の発表を集計すると、8日までに宮崎を除く46都道府県で確認。直近では5日に山形と岩手で初めて見つかった。

アストラゼネカ製に暗雲

 当面はワクチンにも頼れない。英アストラゼネカ製は副反応で起きる血栓の問題が再燃。欧州各国は相次いで接種の年齢制限を表明し、高齢者などに限定し始めている。

 日本政府は昨年12月にアストラゼネカとの間で6000万人分の供給を契約済み。うち4500万人分は熊本や埼玉で国内生産し、安定供給の切り札と期待されてきた。5月中にも承認の見通しだが、戦力になるかは怪しい。

「今の感染拡大にワクチンも間に合わず、病床もすぐには増えない。ならば、感染を徹底的に抑え込むしかありませんが、重点措置すらモタモタしている。このままだと、あっという間に病床がパンクしてしまいます」(中原英臣氏)

 8日18時32分に更新されたグーグルの感染予測(4月1~28日)によると、1日あたりの新規感染数は、4月15日に1万人を超え、28日には5万2843人と見込んでいる。この間の死者は8423人と、昨年からの累計9338人に匹敵する。

 一体、どんな地獄が待っているのか。

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