上級国民枠?政府訪米団ワクチン接種“割り込み”のモヤモヤ
コロナ禍の訪米は吉と出るのか、凶と出るのか。菅首相が4月前半に米ワシントンを訪問し、バイデン大統領と直接会談する。大統領就任以降、対面で会談する最初の外国首脳として迎えられ、総務省問題で火ダルマの菅は失地回復とばかりにウキウキだ。
12日の政府与党連絡会議で菅首相は、首脳会談のテーマとして新型コロナウイルスや地球温暖化、中国をめぐる諸課題、北朝鮮の日本人拉致問題に言及し、「日米間の連携と協力を確認したい」と決意表明。茂木外相は「日米同盟強化へのバイデン政権の強いコミットメントを示すものだ」と持ち上げたが、うのみにはできない。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏がこう言う。
「新型コロナ対策に注力しているバイデン大統領が直接会談を持ち掛けたとは考えにくい。通常のトップ会談は事務方による実務協議を積み上げた上で実施されますが、そうした動きは見られません。政権浮揚につながるセレモニー外交を重視する日本がホワイトハウスに最初に押し掛け、米国は“参勤交代”を受け入れる。そうした構図が透けて見えます」