【貴州家庭式 厚揚げ豆腐の回鍋肉】四川とも日本とも違う
「貴州火鍋」(東京・新小岩)
四川料理のひとつとして知られる回鍋肉は、茹でた豚肉と葉ニンニクを炒め、豆板醤で味付けしたもの。
一方、日本の回鍋肉は豚肉の薄切りとキャベツを炒めたものが多く、甜麺醤で調理し甘辛味に仕上がっている。
「貴州家庭式は、四川料理の回鍋肉とも、日本のものとも違って、豆腐を使うんです」(林さん)
豆腐をカリッと焼くのがポイント。そしてお店で出しているこの回鍋肉、豚肉にかける手間がすごい。皮付きの豚の塊肉の皮をバーナーで真っ黒になるまであぶり、黒くなった部分をすべて落とし、いったん茹でる。
「こうすることで豚肉の臭みが取れます」
家庭で作る時は、皮をあぶる工程は省いてお手軽に。
《材料》
・豚の塊肉
・糟辣椒、または鷹の爪
・刻みニンニク
・刻みショウガ
・木綿豆腐または厚揚げ
・葉ニンニクまたはネギ
・塩
・砂糖
※量は全てお好みで
《作り方》
(1)鍋に水を張って、豚の塊肉、ショウガとネギ(分量外)を入れて、アクを取り除きながら箸がスッと通るまで茹でる。茹でたらペーパータオルで水分を拭き取り、しっかり冷やす。
(2)豚肉を適切な大きさに切って、フライパンで焼き、塩で味付けする。豚肉は別の皿に取り出しておく。
(3)フライパンに油を引き、糟辣椒(鷹の爪)、刻みニンニク、刻みショウガを入れて香りが出たら、木綿豆腐(厚揚げ)を入れてカリッとするまで焼く。
(4)②のフライパンに葉ニンニク(ネギ)、豚肉を入れて、砂糖少々で味を調える。必要であれば塩を加える。
▼(林敏)りん・みん
中国・貴州省北部の遵義出身。遵義には中国最大の唐辛子市場があり、遵義産の唐辛子は味と香りに優れ、唐辛子の中でも特に辛いといわれている。貴州料理を味わい尽くすために、お店に行ったら、まずは林さんに相談を。懇切丁寧にメニュー選びのアドバイスをしてくれる。写真左側が林さん、右側は義理のお姉さんで、一級厨師の有資格者。
▼貴州火鍋
2019年3月オープン。珍しい貴州料理が食べられるとあって、貴州人が集まって宴会を催すことも。5種類の唐辛子調味料、4種類の発酵調味料は自家製。記者は糟辣椒(ザオ・ラー・ジャオ=唐辛子の発酵調味料)が大のお気に入りで、店に行くたび購入している。現在、家族の病気療養のため中国へ一時帰国中。再開のお知らせは、フェイスブック で。
東京都葛飾区新小岩1―55―1 多田ビル1階
℡03・3656・6250