“町中華姐さん”こと高田秋が必食とオススメの「神3品」

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 商店街や住宅街の一角にポツンと、昭和の面影を残す黄色い看板と赤のれん――。おじさんたちの聖地に光を当てた、BS-TBSの「町中華で飲(や)ろうぜ」(毎週月曜午後11時~)が話題だ。ロケを巡ること50店以上、170品近くを食べてきた“町中華姐さん”こと、モデル・タレントの高田秋さんに町中華の魅力と必食の「神3品」を聞く。

 ◇  ◇  ◇

 町中華は行くたびに新たな発見があります。いつも魅了されるのは、家族のつながり。家族経営の町中華は皆さん、すっごく仲がいいんです。町中華の「命」はラーメンスープ。何代も前から受け継いだ「命の味」を守り抜く気持ちも、ひしひし伝わってきます。

 若い息子さんが心のうちに秘めた「お店を継ぐ」という意志を、番組のロケを通じて店主のおじいさんやお父さんに初めて打ち明ける。そんな感動の場面に、浅草橋の「大勝軒」さん、ときわ台の「慶修」さん、と2度も立ち会えました。

 店主の高齢化や後継者不足、今のコロナ禍で営業を続けることが大変な店も多い中、うれしいですよね。大勝軒の息子さんなんてロケ当時はまだ高校生。その年で、家族が守ってきた店のことをしっかり考えていて、すっごくステキでした。

 常連さんも皆、家族のような雰囲気で、息子さんの秘めた思いに感づいていたり。50年、60年と地元に長く愛されている店だと、常連さんが連れてきた赤ちゃんが大きくなって、さらに自分の赤ちゃんを連れてくることがザラにある。逆に今じゃ中華鍋を振っている2代目、3代目を、常連さんが幼い頃から見てきたなんて話も聞きます。

 だから、メニューが増えてしまうんだろうなあ。町中華ですけど、本当に家庭料理みたいな。お客さん第一で「食べたい」と言ったらメニューに加え、気が付けば3倍にも4倍にも増えていく。まるで実家に帰ってきたような感覚になれるのも、町中華の魅力です。

 思い出すのは武蔵小山の「明星飯店」さんで、お通しに出されたナスのぬか漬け。「北海道のおばあちゃんの味と一緒だあ!」と、本当に懐かしくなって。レモンサワーを飲むうちに、思わず涙がこぼれてきました。

 荻窪の「啓ちゃん」さんも、おいしかったですね。私、キクラゲ卵が大好物なんです。浅草の「博雅」さんの奇麗なおかみさん、控えめな旦那さんもステキな夫婦だったなあ。

 町中華のご主人、おかみさんは皆さん、気さくな人柄が多くて気軽にお話ししやすい。安くて、おいしいご飯が食べられて、顔見知り同士でお酒も楽しく飲める。一軒一軒がその地域に欠かせない場所なんだと思います。なくならないで欲しいですね。

 番組のインスタを通じて、「黒帯」のツワモノから私みたいな新人まで、町中華への熱い思いを共有できるのも面白い。もっともっと、町中華ファンが増えて欲しいな!

(聞き手=今泉恵孝/日刊ゲンダイ)

萬来軒(西葛西)の「タン塩炒め」/650円・税込み

「どこも超えられない。ホントにビールが進みます」

 そう高田さんが絶賛する逸品は豚タンを丸ごと1本、惜しみなく使い切る。味付けは、たっぷりコショウに塩のみとシンプルながら、強い火力に熟練の鍋振りで絶妙な炒め加減となる。ジューシーさを保ちながら、山盛りキャベツとレタスの上に大量の刻みネギをまとった姿は圧巻の迫力! それにしても、町中華でタン塩とは珍しい。

「夜のお客さんはほとんどが、お酒目当て。いいツマミを出してやろうと思ってね。650円は安すぎる? ウチは1983年の開業から儲け度外視。お客がよろこんでくれればいいの」(店主の木村静男さん=73)

 これぞ、町中華の心意気! 夜のみのメニューなので、ご注意を。

▽萬来軒(ばんらいけん)
(住)江戸川区中葛西7―23―2
(営)11~14時、17時~20時半/月、火曜定休
(℡)03・3675・3683

ひろし(大山)の「砂肝ニンニク炒め」/600円・税込み

 皿一面に敷き詰められたレタスの上に、どっさり鎮座した砂肝は「ボリューミィ」((C)高田さん)。刻みニンニクと醤油ダレの濃い味付けで、果肉の浮かぶ「生レモンサワー」(490円)がグイグイ進む。豚肉とタケノコを薄焼き卵で包んだ「卵春巻き」(880円)もオススメ。パリッと揚がった唯一無二の逸品は「うまい!」とうなること間違いなし。

 開業は1982年。静かな住宅街になじんだ黄色い看板が目印。清掃の行き届いた店内に好感がもてる。

「ランチはラーメンにカレー、オムレツなどを日替わりで出しています」(店主の宮本博さん=67)

 このメニューの懐の深さが町中華の醍醐味だ。

▽ひろし
(住)板橋区大山金井町2―2
(営)11時~14時半LO、17時~21時半LO/日曜定休
(℡)03・3972・6595

多来福(練馬)の「ニラそば」/750円・税込み

 酒の締めにはピッタリ。あつあつのゴマ油を注いだ大量のニラの香りとうま味が、昔ながらの醤油スープに溶け込み、激ウマ! 丼一面に青々と輝く姿が「映える」と、若い女性客にも好評だ。1965年の創業時には存在しなかったメニューで、義父から店を継いだ2代目店主の伊佐政文さん(59)が考案した。

「もともとは、まかない食。風邪気味のお客さんにスタミナをつけて欲しくて提供したら、『おいしい』と言ってくれて。メニューに加えたんです」(伊佐さん)

 丸ごと使うニラ一束は必ず水戸産。地元JAから直接、取り寄せている。

「葉の太さと長さが他とは違って。不思議とウチの味には、このニラじゃなきゃダメなんです」(伊佐さん)

 店主のこだわりが美味を生むのだ。

▽多来福(たらふく)
(住)練馬区豊玉中2―15―14
(営)11時半~15時、17時~20時45分LO/木曜定休
(℡)03・3993・4634

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