都内30店舗 「ティーケーエス」社長・斎藤浩司さんの巻<2>
もつ千 神田西口店(東京・神田)
もつ千さんは、赤坂に本店を構え、虎ノ門や溜池山王、八丁堀などに支店を広げるモツ焼きチェーンです。メニューを見ると、ビックリします。まず品数が多いこと。とにかく一品料理の充実ぶりがスゴイのです。
たとえばタンを使ったものを探すと、「炙りタン刺し」「炙りネギタン刺し」ときて、「ゆでタン」が目に留まります。さらには、タンシチューが! もちろん串焼きは当然ですから、タンだけで5品です。
串焼きと刺し身を売りにするモツ焼き屋は珍しくありません。でも、ゆでタン、さらにタンシチューまでそろえる店となると、あまりないでしょう。
そのタンシチューは生クリームをかけてあり、小鉢で登場。スプーンですくうとトロットロ。簡単にかみ切れる食感のよさに、丁寧な仕込みが分かります。デミグラスソースもいいあんばいで、そこにゴロゴロとタンが入っているのです。それで399円。飲食店を経営する立場として、この料理をこの価格で出されたらたまりません。
「牛ハチノストマト煮」も普通のモツ焼き店にはないでしょう。イタリアンの名物トリッパで、牛の第2の胃袋ハチノスがこれまたたっぷりと入っていて、トマトソースもしっかりで399円の低価格です。
シチューもトリッパも器は見た目に小さめですが、深さがあって2人で食べ分けても十分なボリュームがあります。それがこの価格ですから、CP抜群。
センスのよさはぜひ学びたい
よだれ鶏は、よだれが出るほどウマいことから名づけられた四川料理のひとつ。豆板醤を利かせたソースが、ツマミにピッタリ。
この店には、一般的な赤いよだれ鶏を押さえつつ、青のよだれ鶏なるアレンジ版もあるのです。青の正体は、バジルソース。どちらも299円。
定番の酢モツには、ゆずを加えたり、パクチーを添えたり。青のよだれ鶏といい、ぜひ学びたいセンスのよさ。ササミとアボカドをバターで炒めた「ささみアボカドバター醤油」(499円)というメニューもあります。
とことんモツ料理で攻めたい
店がプッシュする豚レバテキ(399円)は、豚のレバーが惜しみなくたっぷりと入っていて、ネギソースで覆われています。ぷりぷりのレバーは新鮮な証拠。ネギとの相性がよく、ビールやホッピーが進むのです。
料理は最高値で499円。ほとんどが299円か399円。ドリンクはプレミアムモルツの生ビールが中ジョッキ499円で、ホッピーセットは399円。お代わりの中は199円。ドリンク価格も良心的です。
モツの串焼きはどこでも食べられます。でも、充実した一品料理は、ここだけのオンリーワン。最初から最後までモツ料理で攻めながら、ガンガン酒を飲むには最適の店でしょう。コスパの良さは保証します。 (取材協力・キイストン)
■もつ千 神田西口店
東京都千代田区内神田3―5―5 大同ビル2階
℡03・3525・8664
▽ティーケーエス
沖縄料理屋「なんくるないさ」や寿司屋「まぐろ人」、大衆居酒屋「なんで、や」など都内を中心に約30店舗を運営。来年、創業30周年。
▽さいとう・こうじ
ティーケーエス社長。「街に人に愛される」をモットーに、常に店舗を回りながら現場に立つ。