オーケストラにもリモートの波…一体感なく聞くに堪えない
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、リモートワークを導入する企業が増えてきた。それができるサラリーマンがどれだけいるのか疑問だが、政府は、休暇をしながらリモートワークをするワーケーションの推進まで提唱している。
某大手企業に勤める知人からも「会社に置いてある私物を撤収するように指示が出た」と聞いた。個人用だったデスクも部署内で共用になり、出社したときは空いているデスクを見つけて仕事をする。フリーアドレスと呼ばれるシステムだ。同じやり方を採用している企業は少なくないのだろう。
クラシックの世界でも、リモートワークは浸透してきた。知り合いの音楽事務所に電話をしても、だれも出ないことがままある。全員が事務所にそろうこともなくなったそうで、出社しなければならない時は日をずらすようにしているという。
■失われる士気と一体感
こんな状態が続けば、会社への忠誠心や所属意識は確実に薄れていくだろう。毎日集まって顔を合わせているからこそ、人や組織への愛着が生まれ、士気も高まる。泥くさいことかもしれないが、何かを生み出す上で、とても重要な要素だ。それが失われてしまえば、会社のために頑張ろうという意欲も生まれないだろう。