三枝成彰
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三枝成彰作曲家

1942年、兵庫県生まれ。東京芸大大学院修了。代表作にオペラ「忠臣蔵」「狂おしき真夏の一日」、NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」、映画「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」「優駿ORACIÓN」など。2020年、文化功労者顕彰を受ける。

迷惑を恐れ何が産まれるのか 日本を劣等国にする同調圧力

公開日: 更新日:

 先日、遅ればせながら米映画「ジョーカー」を見た。

 今年2月のアカデミー賞では主演男優賞と作曲賞の2冠に終わっているが、私は作品賞や監督賞、脚本賞などを総なめにした「パラサイト 半地下の家族」よりもいいと思った。

 舞台はコミック「バットマン」の舞台であり、ニューヨークをモデルにしたと思われるゴッサム・シティ。人生に絶望したしがないひとりの道化師が起こしたある行動によって、社会に不満を持つ若者や貧困層が暴徒と化し、暴行や破壊行為を繰り広げる。深刻な社会格差を狂気や暴力で表現した作品だ。

 米国の奥深さを見せられた。日本では到底つくれない作品である。カネを出すスポンサーが絶対に見つからないだろう。自分の理解が及ばないことを批判し、害悪であるかのように叩く。それが正義だと妄信し、枠から外れた人たちを激しく罵る。そんな国民性から生じる同調圧力に屈する日本人は多いのだ。

 新型コロナの感染者が再び増加している今は、圧力が強まっているからなおさらだろう。テレビではもう一度、自粛を要請すべきだとか、罰則を設けるべきだとか、声高に主張するコメンテーターすらいるのだから、理解に苦しむ。

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