五つ子の“減胎手術”ですべての子を失った女性の悔恨
「最初、検診で三つ子だといわれ、戸惑いながらも、三つ子の育児はどんなふうになるんだろうって喜びが勝っていました。しかし、その後の検診で五つ子だと告げられたと同時に医者からは中絶の話を進められ、目の前は真っ暗になったのを今でも鮮明に覚えています」
目を伏せながらこう話を切り出したのは、多胎妊娠を経験した30代後半のAさんだ。
仲間由紀恵(40)や杏(33)など芸能人の双子ママも多く、双子を街中で見かける機会も多くなり、多胎は今や珍しいことではなくなった。それゆえ、生後11カ月の三つ子の次男を死なせたとして、傷害致死罪に問われた母親が懲役3年6カ月の実刑判決を受けたことなど、多胎妊娠・出産・育児がクローズアップされることも多くなったのではないだろうか。
多胎は今や女性の身近な存在になりつつあるが、多胎のリスクを知っている人はどれほどいるだろうか。多胎は妊娠期からすでにリスクが高く、ハイリスク妊婦と言われ、厳重な管理下に置かれる。また無事に出産しても、虐待を受ける確率も単胎児より高いという数値が出ており、多胎は想像以上に母親を追い詰める。現にAさんも多胎妊娠によって肉体的、精神的に追い詰められた一人だ。