進学率60%は過去最高 大卒は本当に高卒より稼げるのか?
いい会社に就職するには、いい大学に進学しないと――。そんな考え方は今なお根強く、昨年度の短大を含めた大学進学率は57.9%と過去最高だ。その根拠になっているのが、生涯賃金だろう。
「労働政策研究・研修機構」が発表した「ユースフル労働統計2018」によると、大卒の生涯賃金は平均2億7000万円だが、高卒は平均2億1000万円。高卒は大卒より6000万円ほど下回る。
あくまでも平均で、大卒の収入を上回る高卒もいるだろうが、社会人になったら本当に大卒の方が高卒より有利なのか。高卒のキャリア支援を行う「アスバシ」の毛受芳高代表が言う。
「前出の統計は、新卒から定年まで転職せずに働いた場合の数字です。転職が当たり前の今、果たして参考になるでしょうか。企業規模別に集計した統計データでは、1000人以上の企業に就職した高卒の方が、100~999人規模や10~99人規模の中小企業に就職した大卒・大学院卒の生涯賃金を上回るのです」
大企業の扉は大卒でも狭き門。国立大や有名私大など高学歴が有利になりやすい。そこまでの学歴がかなわなければ、大卒で中小企業に進むよりも、高卒からキャリアを磨く方が将来的には幸せになれるかもしれないのだ。