著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

原発不明がんで亡くなった森永卓郎さんの訃報で思うこと

公開日: 更新日:

 分かりやすい経済解説で定評がある独協大教授の森永卓郎さんが28日、原発不明がんで亡くなりました。その前日までラジオ番組に出演されていたことが話題になったので、驚いた方もいるかもしれません。

 一般にがんは発生した部位を原発巣と呼び、それが大きくなると、別の臓器などに転移します。ところが、免疫系とのせめぎ合いで原発巣が淘汰され、転移が残ることも少なからずあります。それが原発不明がんです。がん全体に占める割合は3~5%。高齢になるほど発症しやすい傾向があります。原発不明がんの転移として多いのはリンパ節や肺、骨などです。

 がんは通常、臓器によって発生しやすい組織が限定されます。原発巣が分からないのに、転移と診断できるのは病理検査で通常とは異なる組織が認められるためです。

 がんの治療は通常、原発巣の特徴に応じた治療が選択されますが、そうすると原発不明がんでは治療方針を定めにくくなります。そのため、転移部位や組織の性質から強く疑われるであろう原発巣を推定し、それに基づいて治療を選択するのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    尽きぬ破天荒エピソード…それでもショーケンが愛された訳

  2. 2

    河合優実が日本アカデミー賞「最優秀主演女優賞」の舞台裏…石原さとみと激しいガチンコ勝負

  3. 3

    教諭体制は日本一も…“国公立の雄”筑波大付属小の落とし穴

  4. 4

    「中居正広問題」ではノーダメージも、夫は吉本芸人…フジ山﨑夕貴アナの育休復帰は正解か

  5. 5

    やす子は人間不信に…友人から借金を頼まれたら「さっさと貸して縁を切る」という新発想

  1. 6

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  2. 7

    「石破降ろし」不発の裏でうごめく与野党の身勝手な思惑…野望ついえた安倍一派は“特大ブーメラン”に真っ青

  3. 8

    愛子さまに、佳子さまご結婚後も皇室に残る案が進展も…皇族数減少の課題にご本人の意思は?

  4. 9

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 10

    数年前から“終活”も 萩原健一さんの知られざる闘病生活8年