血液がんの「CAR-T療法」保険適用から5年…その実力は?

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「CAR-T(カーティー)療法」は、新たに登場した血液がんの治療だ。日本で初めて承認されたのが2019年。当時は国内4施設でしか実施されていなかったが、現在は69施設まで広がった。北海道大学大学院・血液内科の豊嶋崇徳教授にどういう治療法なのか、話を聞いた。

 CAR-T療法は、がんの免疫療法の一種だ。私たちの体には、がん細胞やウイルスなど異物を攻撃する免疫機能が備わっている。

 その免疫機能の中心的役割を果たすのが白血球で、白血球にはリンパ球、顆粒球、単球などがあり、さらにリンパ球にはT細胞やNK細胞などがある。中でもT細胞は、がん細胞を攻撃する免疫細胞として最強の部類に入る。

 本来、T細胞はがん細胞を直接攻撃して死滅させる。一方、がん細胞は攻撃されないよう、少しずつ性質を変化させる。そうやってT細胞の攻撃から逃れたがん細胞が増殖し、がんを発症する。

「CAR-T療法では、T細胞を患者さんの血液から採取し、がん細胞の表面に出現する特定の物質(抗原)を認識できるように遺伝子操作をします。そうやってつくられたCAR-T細胞(元T細胞)を患者さんに投与すると、CAR-T細胞が特定の抗原に対して攻撃し、がん細胞を死滅させるのです」

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