著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

米サイエンス誌の2024年医療ブレイクスルー…有効性99.9%のHIV薬

公開日: 更新日:

 アメリカの権威ある科学雑誌「サイエンス」が、2024年の科学的ブレイクスルーとしてHIV薬レナカパビルを選び大きな話題を呼んでいます。その最大の理由として示されたのは、99.9%という驚きの有効性です。

 1980年代から90年代にかけて世界中で猛威を振るったエイズは、一時は不治の病として恐れられていました。しかし治療薬の進歩により、適切な治療を受けながら普通の生活が送れるようになっています。

 しかし現在でも、エイズを引き起こすHIVウイルスに感染する人は、世界で毎年100万人を超えています。感染を抑えるワクチンもありません。そんな中、このレナカパビルは、ワクチンに次ぐ効果がある薬として注目されたのです。

 レナカパビルは半年に1度、注射によって投与される薬です。開発した製薬会社ギリアド社が、アフリカに住む若い女性を対象に大規模な有効性試験を行ったところ、この注射によってHIV感染がゼロになったことがわかりました。

 またその後世界で実施された同様の臨床試験は、男性と性交渉を持つ多様な性別の人々を対象に行われましたが、99.9%の有効性が報告されました。もしレナカパビルが曝露前予防薬(PrEP)として使用されれば、世界の感染率を大幅に低下させるだろうと、多くのHIV研究者は期待しています。

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