糖尿病を「手術」で治す…膵臓移植はいまどうなっているのか

公開日: 更新日:

 糖尿病治療というと、経口やインスリン注射などの薬剤治療のイメージが強いが、膵臓移植手術で治す方法もある。糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に話を聞いた。

  ◇  ◇  ◇

「手術で糖尿病を治す方法は2つあります。1つは『膵臓移植』といって、インスリンを分泌しながら血糖を制御している膵島を分離せず膵臓ごと移植する手術です。糖尿病の治療には不要な部分ごと移植するのは手術が簡単だからです。移植した臓器や細胞が移植後も生き続けることを生着と言いますが、膵臓移植の生着率は高く、1年後に臓器を受け取った患者さんの80%以上はインスリン注射が不要になるといわれています」

 実際の手術は全身麻酔で行い、開腹して膵臓を十二指腸の一部と一緒に移植する。移植時には臓器を提供する側と受け取る側の血管をつなぎ合わせるため手術リスクは高く、手術時の合併症も起こりやすいとされている。それでも手術による直接の死亡率は、通常の消化器外科領域の開腹手術と比べて高いものではないといわれている。

 もう1つは「膵島移植」といって、インスリン分泌に必要な内分泌細胞(膵島)のみを取り出して、局所麻酔下において肝臓内の血管である門脈に注入する細胞移植法だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  2. 2

    五輪ニッポン「破産」するスポーツ団体が続出か…JOCは早くも助成金の大幅減額通達

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  4. 4

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸300億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  5. 10

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは