陽子線でがんを狙い撃つ(4)治療を受けるなら最新装置の第3世代

公開日: 更新日:

「究極の放射線治療」として一時期メディアで取り上げられ注目を集めたのが重粒子線治療だ。陽子線と同様、粒子線の一種。中部国際医療センター陽子線がん治療センター施設長の不破信和医師が言う。

「私は兵庫県立粒子線医療センター時代、重粒子線と陽子線の両方を経験しています。放射線ではがん細胞のDNAを切断してがんを殺しますが、X線ではDNAを切断する力はあまり強くないが、重粒子線はズドンと切れる。陽子線はこの中間くらい。重粒子線は切れ味が非常にいいのです。しかし過去の治療成績から、重粒子線より陽子線の方が向いているがんが少なくないと感じています」

 重粒子線で治療した肝がんと、陽子線で治療した肝がんを比較した研究では、がんが4センチ未満、4センチ以上ともに全生存率は同等だった。頭頚部悪性黒色腫の治療成績を陽子線と重粒子線で比較した研究でも、全生存率、無再発生存率、局所制御率いずれも同等だった。

 喉頭がんで重粒子線治療を受けた後、3カ月後に重篤な咳、呼吸困難を発症、5カ月後には披裂軟骨欠損、気道狭窄が認められ、6カ月後には喉頭全摘となった苦い経験もある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗