著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

充血ではないのに「充血」と誤解しているケースはよくある

公開日: 更新日:

 目の充血について、本当に多くの患者さんが悩まれていることを、常々実感しています。ただ、患者さんが充血と誤解しているだけで、実はそうではないケースはしばしばあります。

 たとえば、白目部分に真っ赤な血管が、1本の筋のようにくっきりと見える。これは充血とはいいません。目を酷使することで、このような状態になる人がいます。時間が経てば(1週間程度)自然に治りますので、様子を見てください。

 また、白目全体または一部がペンキで塗ったように真っ赤になることもあります。これは「結膜下出血」といって、白目(結膜)の薄い膜の下の細い血管が破れて、出血した血液が膜の下にたまっている状態。そのため、目がまるでウサギの目のように赤く見えます。

 結膜下出血は、痛くもかゆくもないのが特徴です。白目で起きる血豆のようなもの、といえばわかりやすいでしょうか。「たまった血が眼球に入って、視力が下がったり、違う病気になったりするのでは?」と心配される患者さんもいらっしゃいますが、それらの心配はありません。

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