梅毒急増のなぜ(5)感染者の60%は性風俗以外…SNSが変えた「パパ活」と女性の性意識

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 性風俗関連の梅毒感染が多いとはいえ、その割合は利用者と従事者含めて男女とも40%程度に過ぎない。残りの60%はどこで感染しているのか? 日本性感染症学会功労会員でもある「プライベートケアクリニック東京」(東京・新宿)の尾上泰彦名誉院長が言う。

「梅毒感染はきわめてプライベートなことなので、疫学調査は困難です。ただ、患者さんを診ていると、『パパ活』に代表されるマッチングアプリなどSNSを介しての出会いに一因があるような気がします」

 SNSとはネットを介して人間関係を構築できるウェブサービスの総称。会い系アプリや婚活アプリなどが爆発的に増えたのは2013年前後で、それを使った売春の一形態が「パパ活」だ。もともとは女性が経済的に余裕のある男性と食事やデートをし、その対価として金銭などをもらう活動をいい、父親にお小遣いをねだる娘に似た関係であることからこの名前で呼ばれている。

 現在はお金のない男性が、性風俗に行く感覚でパパ活アプリを利用して若い女性との出会いを求め、女性もそれを承知で応じている。ただし、男性は単独で愛人を囲うだけの経済的基盤はなく、1人の女性を複数の男性が囲う。そのため、パパ活女性が梅毒感染すると一気に広まる構図が出来上がっている。

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