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新井平伊順天堂大学医学部名誉教授

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

「脳血管障害による認知症」は高血圧と深く関係している

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「これならできる」減塩法を見つけて実践

 塩をしっかり利かせた味付けは、わかりやすいおいしさだと思います。それに慣れてしまうと、少ない塩分量の食事では物足りなさを感じるでしょう。

 また、外食や出来合いの弁当、総菜はどうしても塩分量が多い。自炊派ではない方が塩分量を減らすのは難しいかもしれません。

 それでも今の塩分量が多い生活を続けていると、高血圧脳卒中心筋梗塞認知症などのリスクは高いままの可能性が高い。「これならできる」というものを見つけ、少しずつ生活を変えてみませんか?

 旅行ジャーナリストの50代女性は、月の半分は国内外のあちこちに出かけ、取材の日々。その土地土地の食材を堪能すること、魅力的な飲食店を発掘し関係を築くことは大切な仕事ですから、取材先で「減塩中です」とは言ってられません。出されたものは貪欲に食べ、取材の合間を縫っての食のリサーチも積極的に行う。

 その代わり、東京に戻ったら、「ほぼ塩分なし生活」を送るそうです。塩分の入っている調味料(醤油、ソース、味噌、ポン酢、ドレッシング、マヨネーズなど)は使わず、パンやうどん、練り物やハム、ソーセージといった加工食品は原材料に塩分が含まれるので食べない。

 でも、食が貧しくなるわけではない。彼女はオリーブオイルが大好きで、お気に入りの一本を自宅にストックしている。値段は少し高めでも味がいいと思った野菜やパスタにそのオリーブオイルをたっぷりかけ、フレッシュなハーブ類やかんきつ類を搾って食べたりするそうです。限りなく満足がいく食事を取りながら、減塩も両立させている。

 人によって「これならできる」は異なります。激辛好きの人なら、塩の代わりに辛み成分を多くすることで、塩分が少ない物足りなさをカバーできるかもしれない。減塩は「この日だけやればいい」じゃないからこそ、自分ができる方法を見つけ、日々に取り入れていくことが大事だと思っています。

■減塩のコツ
・醤油はかけずに、つける
・醤油やソースをかけるのは、味見してから
・薬味、スパイス、酸味を活用し、減塩の物足りなさを補う
・味の濃いモノを重ね合わさない(例えば、「炊き込みご飯+味噌汁+こってりおかず」は避ける)
・素材の味を意識して楽しむ

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