認知症の前段階「軽度認知障害」の決定打となる兆候は?

公開日: 更新日:

 認知症の前段階といわれる軽度認知障害(MCI)とは、健常者から認知症患者に移行するグレーゾーンの状態です。

 認知機能の低下が始まっているものの、食事やお風呂、着替えといった日常生活には問題が出ていない状態で、本人や家族も気づかないケースが多い。

 ただし、年平均で10%ほどがMCIから認知症に症状が移行し、約半数は5年以内に認知症を発症するといわれています。この時点で、早期発見することが重要です。

 原因は、アルツハイマー病由来の場合、脳にタンパク質「アミロイドβ」が蓄積し、レビー小体型が由来であれば、脳に蓄積したレビー小体が神経細胞を消失させているためです。ほか、うつ病や脳血管疾患などが起因となって、MCIを起こすケースもあります。

 一般的にMCIの兆候として、「物忘れ」「小銭が増える」「取り繕う」「短時間で同じ質問が増える」といった言動が見られます。

 たとえば、私の担当する外来の患者さんのケースでは、毎回予約通り来ていた方が、2回以上、連絡もなく来院しなかったり、薬の飲み忘れを防ぐために他の患者よりも短めの期間で処方しているのに残ってしまっていたり、月初めに保険証の提示を求めたら忘れていて、慌ててカバンをひっくり返す勢いで探したり……といったことがあれば、「次回はご家族といらしてください」と促します。自宅での言動を確認し、MCIの可能性を見極めるためです。実際、診療時に家族にも質問をして返答が異なると怪訝な顔をして、「そんなことはないだろう」とイライラして取り繕おうとします。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    下半身醜聞の西武・源田壮亮“ウラの顔”を球団OBが暴露 《普通に合コンもしていたし、遠征先では…》

  2. 2

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  3. 3

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  4. 4

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  5. 5

    「二刀流」大谷翔平と「記録」にこだわったイチロー…天才2人の決定的な差異

  1. 6

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  2. 7

    元横綱・白鵬に「伊勢ケ浜部屋移籍案」急浮上で心配な横綱・照ノ富士との壮絶因縁

  3. 8

    いまだ雲隠れ中居正広を待つ違約金地獄…スポンサーとTV局からの請求「10億円以上は確実」の衝撃

  4. 9

    キムタクがガーシーの“アテンド美女”に手を付けなかったワケ…犬の散歩が日課で不倫とは無縁の日々

  5. 10

    悠仁さま「渋渋→東大」プランはなぜ消えた? 中学受験前に起きた小室圭さん問題の影響も