はるな愛さん乾癬との苦闘を語る「アルコールで現実逃避したことも」

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はるな愛さん(タレント/49歳)=乾癬

 実は今年3月末から、ついに保険の利かない高額なお薬に手を出しまして(笑)、悩んでいた「乾癬」の肌トラブルが激減したのです。ほら、肘もツルツルでしょう? ちょっと前までは肘や膝、首や背中がひどく荒れてて憂鬱でした。

 もし、肘や膝などの関節や頭皮にかゆみを伴う湿疹があって悩んでいる人がいたら、乾癬かもしれないので、皮膚科でも乾癬に特化した先生がいる病院を探して、ぜひ行ってほしいと思います。

 私は小さい頃からじんましんが絶えなくて、かゆくてボリボリかくためにパジャマや布団が血だらけになることもあったくらいひどかったんです。

 当時「ケンジくん」だった私を、母親があちこちの病院に連れていってくれたんですけど、処方された塗り薬はすべて効かず、夏に蚊にさされようものなら、全身にかゆみが広がって大変なことになりました。だから、真夏でも長袖・長ズボン。お医者さまには「日焼けもよくない」と言われていましたが、海に入るとひっかき傷に海水が染みて、かゆみが消えるから気持ちが良くて、海にはよく行っていました。

 でも、小学生の高学年ぐらいからだんだんかゆみが落ち着いて治っていったんです。後から考えると、「女の子になりたい」ということに夢中になったことでかゆみへの意識がそれてボリボリかかなくなったからだと思うんです。肌荒れの面積が小さくなって、中学2年生の頃のお肌なんかピカピカでした。

 高校生になるとエステに通い出して、さらにお肌に磨きをかけるようになりました。その後、性転換の手術を受けて、きれいになって、「エアあやや」でテレビにもたくさん出してもらえるようになって、世間から注目されるようになりました。すると、2013年ごろからまた皮膚がカサカサしてきて、ボリボリかくと赤くボコボコと盛り上がってかさぶたになるんです。それまでと違っていたのは、かゆみが肘や膝といった関節に集中していることでした。

 半袖やノースリーブが着られなくなり、ミニスカートがはけなくなりました。無意識にかいてしまって貸衣装に血がついてしまったり、肌荒れを隠すためにファンデーションで隠すようにもなりました。

 ある日、首の後ろにもただれができてしまって、ヘアメークさんに相談してポニーテールをするための整髪料が皮膚につかないようにお願いしました。皮膚がポロポロ落ちるので黒い服は着られませんし、背中も荒れたので背中が大きく開いたドレスも無理でした。

 もちろん仕事の合間に何件も病院に行きました。地方に行くときも評判のいい皮膚科を探して受診しましたし、はり治療も受けたんです。でも、すべてダメでした。

■保険外の薬は高額だが決して高くはない

 改善のきっかけはメークさんの「これ乾癬じゃないかな」の一言でした。そこで初めて乾癬という病気を知って、皮膚科に行って「先生、これ乾癬じゃないでしょうか?」と尋ねてみたんです。すると、「そうだね」とおっしゃって、塗り薬を処方されました。それを1カ月ほど塗り続けたところ、確かに良くなったんですけど、しばらくするとまたかゆみが出て、薬を替えても替えても治ってはぶり返すを繰り返しました。

 肌が汚いって、タレントにとって本当につらいんですよね。ストレスで食生活も乱れ、現実逃避のアルコールで騒いでいた時期もありました。

 転機になったのは、乾癬に関する取材を受けるお仕事が増えてきたある日、乾癬の薬を製造している会社でインタビューを受けるお仕事をいただいたことです。

 インタビューの数日後、その会社の方から長文のお手紙をいただいて、保険外だけれど良い飲み薬があることと、乾癬に特化した皮膚科の医師がいる病院の一覧を送ってくださったのです。たまたま、家の近くにその病院があったので行ってみたのが大正解でした。

 処方されたのは保険の利かない薬ですが、ストレスや気苦労、何軒も病院に行く時間や費用を考えると、薬が高額でも決して高くはない。ずいぶん躊躇したけれど、今は良かったと思っています。

 薬は朝夕1錠ずつ。1カ月のスターターキットから始めて徐々に体を慣らしていき、さらに続けることで肌荒れが改善してきました。とても強い薬なので、3カ月目になる今でも飲むと気持ちが悪くなることがあるんですけど、肌荒れの悩みはほとんどなくなりました。ちなみに、薬は1錠で約1000円です。

 つくづく私の人生は人に出会って救われてきたと思います。一人で抱え込んで隠しているより、表に出て、恐れずに人に出会って、それが解決につながることを今回も学びました。

 今のお薬と出合って、乾癬と一生つきあっていく覚悟ができました。これからも前向きに生きていきたいなと思います。(聞き手=松永詠美子)

▽はるな愛(はるな・あい) 1972年、大阪府生まれ。2007年にアイドル歌手・松浦亜弥の音源を流し、口パクで完コピする「エアあやや」でブレーク。ニューハーフタレントとして人気を博す。タレント活動の一方で飲食店経営もする実業家。9月30日にラドンナ原宿(東京)で「~Ms.by KYORITSU BIYO presents~はるな愛 Live LOVE SONG」が予定されている。

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