著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

大腸がん検診はいつから始めるべきか 発見できれば死者を減らせる

公開日: 更新日:

 がん検診といわれる検査の多くは、その検査によってがんを見つけることはできても、そのがんで亡くなる人を減らしたりはできないことがほとんどです。しかし、がんで亡くなる人を減らす効果が確認されている検診もあり、そのひとつが「大腸がん検診」です。

 大腸がん検診は、便に微量な出血が見られるかどうかを判定する便潜血検査と、大腸の中に管を入れて調べる大腸内視鏡検査とを組み合わせて行うことが一般的です。病気のリスクが高いと考えられる時には最初から内視鏡検査を行いますし、そうでない場合には最初に便潜血検査を行って、陽性になった時に大腸内視鏡検査を行うのです。

 日本では便潜血を主体とした検診が40歳以上の年齢で推奨されています。その一方で欧米では、50歳以上で検診を行うことが普通でした。しかし、最近その常識も変わりつつあります。今年の米医師会のがん専門誌に掲載された論文では、女性看護師を対象としたデータを活用して、内視鏡検査を行った年齢と、大腸がんのリスクとの関係を検証しています。

 それによると、45歳より前に大腸内視鏡検査を行うと、行わない場合と比較して、その後の大腸がんのリスクが6割以上も低下していました。50歳以上で行う検査よりも、高い効果が確認されたのです。40歳を越えたら、なるべく早い時期から大腸がん検診は始めるべきであるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘