著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

脂肪肝の人は低血糖に注意を! 軽症の肝臓病でも危ない

公開日: 更新日:

 糖尿病の治療には、血糖を下げる薬が使われます。そこで副作用として大きな問題となるのは、血糖が下がり過ぎてしまう「低血糖」です。最近の糖尿病の薬は昔と違って、低血糖は起こしにくくなっていますが、その危険はゼロではありません。それでは、低血糖になりやすい体質というのはあるのでしょうか?

 体には血糖を一定に保つ仕組みがあります。その仕組みの重要な部分を担っているのが肝臓です。糖新生といって、肝臓はブドウ糖をつくり、それを血液の中に放出することによって血糖値をコントロールし、低血糖にならないようにしているのです。そのため、肝臓の働きが大きく低下する肝硬変という病気では、重症の低血糖が起こりやすいことが知られています。

 今年の米医師会関連の医学誌に、もっと軽症の肝臓病でも、重症の低血糖が起こりやすい、という研究結果が報告されて話題になっています。これは韓国の研究ですが、糖尿病の患者さんで「非アルコール性脂肪性肝疾患」という病気があると、ない場合に比較して重症の低血糖のリスクが26%増加していたのです。非アルコール性脂肪性肝疾患というのは、お酒とは関係のない脂肪肝のことです。これまで脂肪肝程度では低血糖は増えないと考えられていましたが、そうではない可能性があるのです。血糖が高めで脂肪肝を指摘された方は、低血糖にも注意が必要かもしれません。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元小結・臥牙丸さんは5年前に引退しすっかりスリムに…故国ジョージアにタイヤを輸出する事業を始めていた

  2. 2

    ドジャース大谷翔平に「不正賭博騒動」飛び火の懸念…イッペイ事件から1年、米球界に再び衝撃走る

  3. 3

    遠野なぎこさんは広末涼子より“取り扱い注意”な女優だった…事務所もお手上げだった

  4. 4

    ヘイトスピーチの見本市と化した参院選の異様…横行する排外主義にアムネスティが警鐘

  5. 5

    ASKAや高樹沙耶が参政党を大絶賛の一方で、坂本美雨やコムアイは懸念表明…ネットは大論争に

  1. 6

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  2. 7

    世良公則、ラサール石井…知名度だけでは難しいタレント候補の現実

  3. 8

    自民旧安倍派「歩くヘイト」杉田水脈氏は参院選落選危機…なりふり構わぬ超ドブ板選挙を展開中

  4. 9

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 10

    フジの「ドン」日枝久氏が復権へ着々の仰天情報! お台場に今も部屋を持ち、車も秘書もいて…