著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

乳がん<7>髪が抜けることはない手術後の「放射線治療」

公開日: 更新日:

 手術が終わると、多くの患者に対して放射線治療が行われます。初版のガイドライン(2005年)は、まだ術後放射線治療のエビデンスがそろっていなかったこともあって、ややまとまりを欠いた記述になっていました。しかし当時から早期乳がん(ステージⅡ以下)の乳房温存術(部分切除)に対する術後放射線照射が強く推奨されており、最新版(2018年)には「標準治療である」と明記されています。

 術前薬物療法によって完全奏功(画像上は腫瘍が消えている)を得て、部分切除を行った患者も例外ではありません。完全奏功といっても、目に見えない微小ながんが残っている可能性が高いからです。

 放射線治療では、まず照射量の目標値が設定されます。乳がんでは50グレイという量になります。これを一度に照射するのではなく、小分けにして照射していきます。そのほうががん細胞を殺す効果が上がることが分かっているからです。通常は2グレイ/日で週5日(土日は休み)、連続5週間にわたって行います。

 最近では「寡分割照射」と呼ばれる、1回当たりの照射量を増やして回数を減らす(15回、3週間程度)方法も広がってきています。ステージⅡ以下でリンパ節転移がない、かつ抗がん剤治療を行っていない患者が対象です(強く推奨)。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    今田美桜は7年ぶりオーディションで決定も…夏菜は“酒浸り” 朝ドラ女優を悩ますSNSとメンタル面

  2. 2

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  3. 3

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  4. 4

    宮﨑あおい&岡田准一がマクドナルドCMに“同時期出演”も…「夫婦共演」をしないナゼ

  5. 5

    夏菜の二の舞か?パワハラ疑惑&キス写真で橋本環奈に試練…“酒浸り”イメージもそっくり

  1. 6

    宮崎あおい"物憂げなやつれ顔"の真相は? 岡田准一の事務所に入所した「虎に翼」出演女優の存在

  2. 7

    「おむすび」不調は国宝級イケメン俳優の少なさが原因? 目黒蓮クラスの旧ジャニ不在も痛手

  3. 8

    ソフトB風間球打にはイップス疑惑…昨季のプロ野球“女性スキャンダル三羽ガラス”の現在地

  4. 9

    数字も評価も上々『ライオンの隠れ家』は柳楽優弥、坂東龍汰、佐藤大空だから成立した

  5. 10

    がんの4割がアルコール消費と関係? 米国がん協会の新たな研究結果に騒然