2025年「冬ドラマ」を調査! 独走状態の『ホットスポット』、疲れた大人世代に『御上先生』は難しかったか

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コクハク

 2025年1月よりスタートした冬ドラマ。惜しまれつつ最終回を迎えたドラマがあった一方で、期待されていたものの視聴率が振るわなかった作品も。

 そこで、今期見ていたドラマの感想を改めてリサーチ。絶賛の声から失望の声まで、さまざまな意見が届きました。

【関連記事】現役芸人が見た『ホットスポット』のすごさ。お笑いのテクをドラマに落とし込む「バカリズム脚本」の妙

『ホットスポット』は疲れた大人の癒しに

 前評判どおり、もっとも視聴者を惹きつけたのはバカリズム脚本のドラマ『ホットスポット』(日本テレビ系)。ダントツと言っても過言ではない投票数でした。

「多忙ななかでも『ホットスポット』は全話完走。もちろん話は面白かったのですが、頭からっぽで見られるばかばかしさもあって、リラックスできました。ロスです」(44歳・主婦)

「今までにない、スケールが大きいんだか小さいんだか分からない不思議なドラマ。脚本がよく練られていて、セリフが自然で、なにより面白かった」(64歳・会社員)



「ちょっとユルい感じのSFが意外で面白かった。宇宙人って事は内緒のはずが少しずつまわりにバレて、でも結果的にみんなで助け合う的な内容が良かった」(64歳・主婦)

 ほか「登場人物たちのかけあいが面白かった」(35歳・教師)、「都会のドラマではなくほのぼのしたおおらかな内容がいい」(67歳・自営業)と、バカリズム節の効いた内容に夢中になった人が多数。また、役者のファッションに注目する声も。

「ストーリーはさることながら、回を増すごと気になったのが衣装。主人公の市川実日子さんら幼馴染3人が集まるときは決まって同系色の服装でしたが、しまいには角田晃広さん演じる中年男の高橋も同系色となり、年齢や性別、生命体の垣根を超え、仲間になったんだなって感動ですらありました(笑)」(47歳・企画)

「SNSでも話題になっていましたが、市川実日子さんの付けているピアスの位置が、90年代を思い出してときめいちゃいました。元オリーブ少女にはたまりません」(41歳・金融)

『御上先生』のテーマに称賛。一方、否定派も

 次にコメント数を獲得したのは日曜劇場『御上先生』(TBS系)。ですが、その感想は意外にも賛否両論まっぷたつでした。

「同居人がハマっていたので私も見るように。“個人的なことは政治的なこと”がキーワードになっていて、学生時代に社会学やフェミニズムを学んでいた私には胸アツでした! 全体的なストーリーにこの精神が貫かれていて、見応えがありました」(43歳・語学)



「7話、御上先生が生理用品について聞くシーンが印象的でした。女性に対してそんな質問をするなと止められた際に、怒るのも答えるのも女生徒自身が決めていいという台詞が良かったなと。女性にもいろいろいるんですよね。守ろうとして言っていても“役割”で括った瞬間に個人がこぼれ落ちてしまう…そんな危うさを突いた印象的なシーンでした」(42歳・コンサル)

 ほか、「今までとは違う学園もので重厚な物語が良かった。また俳優が素晴らしい」(45歳・自営業)など、骨太のストーリーが視聴者に絶賛されていた様子。

 ただし、「頭でっかちな理屈ばっかりで、途中から筋を追うのもめんどくさくなった」(64歳・会社員)「ちゃんと見なきゃいけないから疲れている時はしんどい」(25歳・ネイリスト)という言葉も多く寄せられました。

「いろんな問題を入れ込みすぎて、かつ全編通して無駄に暗いのが気になる。残念ながら演技も誰もいいと思えない。だから演技とかも含めて無駄に暗く感じて苦痛。そんなに暗い必要あるの? って。暗いドラマを見る気が起こらないのは私が更年期世代だからかもしれませんが(笑)」(44歳・建築)

大河っぽくない大河『べらぼう』を受け入れられるか

 吉原遊郭を題材にしているため、炎上が心配されていた『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK)の評判は上々。視聴率が伸び悩んでいるようですが、これからに期待できるかも?

「横浜流星の明るい演技と現代にも通じる理論で成功を勝ち取っていく内容が共感しやすい」(44歳・会社員)

「なぜか続きとか先の展開は気にならないのに、見たら見たで満足感というか、見て良かったなぁと思える不思議さがある」(45歳・シナリオライター)



「良くも悪くも大河ドラマっぽくないというか。吉原が舞台ということもあり、BS時代劇やかつての金曜時代劇で描かれるような主人公やテーマかもしれません。古書としていまでも閲覧できる本の舞台裏を、森下佳子さんがドラマチックに描き、それを横浜流星の目力あるエネルギッシュな演技で魅せていくのは、脚本と演者の力が兼ね備わってこそ。

 離れて暮らす70代の母親も放送を楽しみにしていて、月曜日のLINEのやり取りは決まってべらぼう談議です。12月まで楽しみに見続けたい!」(46歳・出版)

 これまでの「大河ドラマ」っぽくないため、現代ドラマ感覚で見られると評判のよう。ただ、その点に物足りなさを感じるという人も。

「今年の大河は早々に脱落。登場人物が多くかつ遊郭が舞台でアクの強い題材で、主人公の演技もアツくて疲れた。主人公の幼少期とか、いつも大河で描かれている部分が端折られていたのが、入り込めなかった要因かも」(43歳・翻訳)

『法廷のドラゴン』『まどか26歳』お仕事ドラマが好評

 上記3作品外にも実は小粒の良作も存在した今期。少数ながら届いた感想をご紹介します!

■御曹司に恋はムズすぎる(関西テレビ系)
「30分でこんなにドキドキハラハラ出来て、次回を待ち切れないと思ったのは始めてでした」(71歳・主婦)



■バニラな毎日(NHK)
「人と人との関り合いで、困難を乗り越えるところが面白かった」(64歳・主婦)

「次々に降りかかる困難に立ち向かう主人公が涙を誘った。あと最後のバニラアイスの盛り付けが美しかった。永作博美が可愛い」(55歳・パート)

■まどか26歳、研修医やってます!(TBS系)
「気楽に見れて楽しかったです。私の世代のイメージでは研修医はきつくて大変というイメージがあったのですが、令和の働き方改革を経た研修医の姿が描かれていて興味深かった。1人1人の立場や葛藤もしっかり描かれていて奥行きがあるドラマでした」(42歳・WEB)



■119エマージェンシーコール(フジテレビ系)
「臨場感があって良かった」(68歳・無職)

■法廷のドラゴン(テレビ東京系)
「シンプルな構成で安心して視聴できた」(45歳・自営業)

今期は『ホットスポット』一強!

 とにかく『ホットスポット』が話題をさらった印象のある今期。気軽に楽しめるドラマとして人気を集めましたが、硬派な作品にもうちょっと頑張って欲しかったというのが本音。

 疲れがちな大人世代の頭にもすんなり入ってきてくれて、かつ社会派…そんなドラマの登場を待っています。

(コクハク編集部/編集MS)

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