フジテレビにとって“CMスポンサー撤退”より危険な「致命的リスク」とは? 企業危機管理の専門家がズバリ

公開日: 更新日:

「現在、フジテレビはガバナンスが崩壊し適切な経営判断ができない状態と見られていますから、経営刷新を行うためには具体的な処方箋が必要になってきます。それが3月を目処に公表される『第三者委員会』の調査結果であり、それにどう対応していくかにスポンサー企業は注目しています。しかしこうした状況に陥った場合、企業にとって一番のリスクは周囲のそうしたステークスホルダーではなくて、実は社員にあるんです」

 企業の危機管理に詳しい危機管理コンサルタントで、一般財団法人リスクマネジメント協会顧問の白井邦芳氏はこう言った。

 元SMAP中居正広氏(52)の女性トラブルを巡る一連の対応で、CMスポンサー撤退から回復の目処が立たないフジテレビ。4月以降も大幅な減収が予想されると同時に、優秀な社員の流出が続き、内部崩壊が起こるリスクに晒されているという。白井氏が解説する。

「こうした状況下では、社員が会社の上層部に対して信頼を完全に失っている状態で、すでにかなりのヘッドハンティングなどが行われ、優秀な人材を引き抜こうという動きが加速していると予想されます。第三者委の調査結果を待たずして、人材は流出し、企業としての体力が失われていく可能性がある。企業としては、かなり危険な状態にあると言わざるを得ない」

■「FNS歌謡祭 春」は中止、「27時間テレビ」も絶望的

 すでにCM差し止めによる制作費の不足から、4月6日に放送予定だった同局の大型音楽番組「FNS歌謡祭 春」は制作中止、港浩一前社長の肝入りだった夏の大型特番「27時間テレビ」や同局の夏の一大イベントである「お台場冒険王」も、スポンサーが集まらず実施は絶望的と見られている。テレビ局の本業であるコンテンツ制作の現場への影響は甚大で、これでは優秀なクリエーターも続々と流出する一方だろう。

 さらに影響は下請けの制作会社にも波及する可能性があり、およそ120社が加盟する「全日本テレビ番組製作社連盟」は先月30日、フジテレビに対し、番組の予算や本数の確保に加えて、休止や変更に伴う補償を求める要望書を提出している。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態