『東京サラダボウル』松田龍平の発音に異議あり! 中国関係者のリアルな声

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コクハク

 1月よりスタートしたドラマ「東京サラダボウル」(NHK)。「クロサギ」の黒丸による同名漫画を原作とした本作は、外国人犯罪・外国人事件に向き合う刑事と中国語通訳の姿を描く。

 劇中では中国人が頻繁に登場し、有木野了(松田龍平)が鴻田麻里(奈緒)の間に入り通訳を務めるシーンが多数存在。そのため、日本で暮らす中国人や中国に精通する人の間でも注目されている。“プロ”の評判を聞いた。

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リアルな物語。ただし松田龍平の中国語は…

 話を聞いたのは、コロナ禍以前は中国暮らし、現地在住の日本人向け雑誌を手掛けていたAさん。現在は日本で中国系の書籍を制作している。

 私達が普段関わることがない「外国人犯罪」はどこか架空の出来事のように感じてしまうが、どう見ているのだろうか。

「よく調べて作られているなというのが第一印象です。有木野が所属する警視庁通訳センターは実在する部署なので、説得力があります。また、中国では薬物犯罪は死刑になります。騙されて使用してしまった女性が登場しますが、それが原因で不法滞在に陥ってしまうのも実際にあるケースなので、その辺もリアルですね」

 物語に関しては不自然に感じる点は特にないという。しかし、1つだけ気になる点があるそうだ。それは松田龍平(41)の中国語の発音だ。

「松田さんはボソボソと話すスタイルのためか『四声』が棒読みに近く、聞き取れない部分が多いなと感じました」

 四声とは?

「中国語には『四声』という声調があり、それがとても大事になってきます。たとえば『ma』という音は、第一声なら『妈(お母さん)』、第二声なら『麻(アサ)』、第三声なら『马(馬)』、第四声『骂(罵る)』となり、四声が違うと全く違う意味になってしまうのです。前後の単語で声調が変わったりもするんです」

どう改善すべき? 意外な解決法

「私もネイティブではなく中国語を学んでいる人間なので、発音の習得はやっぱりすごく難しい。松田さんの発音が怪しいのも仕方ないでしょう。無表情で冷静な役柄だからか、余計に抑揚がつけづらいのかもと思いました。

 ただ、中国のドラマに出演するネイティブの役者であれば、静かな話し方でも聞き取れるんですよね。中国人も間違えがちだけど、四声はとにかく大事な要素なんです」

 どう改善すれば、良く聞こえるようになるのか?

「日本語は先だけで話せますが、中国語はお腹から声を出して発生する印象があります。なので、もう少し声を張って話したり、口全体を使って話すというのも一つの手。中国人は疲れるほどに『口』の筋肉を使います。

 中国へ行くと周りに合わせて声が大きくなりがちです。それでも通じないときの反応たるや…単刀直入で失礼な対応をされます(笑)。犯罪者相手ならもっと酷い対応をされそうだけどな、と感じました(笑)」

中国人=犯罪に近い存在ではない

 一方、ドラマそのものに関しては喜んでいる中国関係者も多いという。

「リアルな中国語を聞けるのが学習者にとって嬉しいと話題になっています。有名俳優が中国語通訳の役をやってくれるだけでもありがたい。ただし、中国人が皆このような犯罪に関わっていたり危ない存在だと思われるのでは? という点は少し心配しています。

 私はたまたま中国人と関わる仕事や生活をしていて、中国語講師や学者さんの他、日本のコミュニティにしっかり属しているママ友などと接することが多いのですが、きちんと日本で生活されている方が大半です。

 もちろんその辺を加味して制作されていると思いますが、中国人=犯罪に近い存在では決してないとお伝えしたいです」

SNSでは高評価!

 最後にAさんは「引き合いに出すわけではないけど、『光る君へ』(NHK)の松下洸平の中国語は上手だと感じました」とも話す。

 各インタビューでも、中国語の取得が大変だったと話していた松田龍平。SNSでの反応を見ると『松田龍平、中国語上手だな。勉強になる』『流暢な中国語を話してる』『松田龍平の中国語を話す姿がセクシーで最高!』など評判は上々のよう。

 本場の中国語を知る人からは厳しい意見が上がったが、ほとんどの視聴者は発音を気にしてはいない様子だ。ドラマはまだ数話目、今後より上達していく可能性も高いだろう。
 
(編集MS/コクハク編集部)

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