70年代を彩った元「フィンガー5」妙子さん 音楽とは無縁の生活、再婚した年下夫と平穏に暮らす

公開日: 更新日:

妙子さん(元「フィンガー5」/60歳)

 沖縄が日本に返還された1972年にデビューした「フィンガー5」。「個人授業」「恋のダイヤル6700」「学園天国」とミリオンセラーを連発し、一大旋風を巻き起こした。男の子4人と女の子1人のきょうだいバンド。あどけない可愛らしさで“トンボのサングラス”の兄の晃と共に人気だった末っ子の妙子は当時まだ10歳そこそこだった。すでに還暦を過ぎたはずだが、今どうしているか。

  ◇  ◇  ◇

 土曜の夕方、待ち合わせ場所に現れた妙子さんは少し緊張した様子だった。

 腰を掛けるとバッグからメモ用紙を取り出しテーブルの上に置き開いた。

「インタビューは久しぶりで、昔から苦手なんです。兄にも相談してなにを話すかメモしてきたんですよ」

 解散して半世紀近く。今も変わらない笑顔で当時を振り返ってもらった。

「私は小学校に入る前に東京に来ているので沖縄の記憶が薄いんです。母の住む沖縄に行くのも帰省というより観光に行くみたいな。思い出の大半は東京での芸能活動。当時の楽屋は男女に分けた大部屋で、最初は私も男の楽屋でしたが、西城秀樹さんとトランプして遊んでもらったりしていました。途中、私だけ女性部屋に移りましたが、扉に(妙子)と書いてあって笑えましたね。兄たちに守られながら過ごした芸能界での貴重な経験は楽しい思い出ばかりです」

 解散についてはこう話す。

「私は兄に言われて音楽を教わりメンバーになったので、遊びみたいな感覚でした。解散は今も実感がないの。一番上の兄も『きょうだいに解散はない』と言っていた。常に連絡も取れるし、東京にいるおんちゃん(兄の呼び方)とは食事もする。また音楽をやろうと思えばできそうだけど、復活はないでしょうね(笑)」

 今もきょうだいの仲の良さがうかがえるが、当時の舞台裏は……。

■当時は取っ組み合いの喧嘩ばかり

「本当は家では兄同士、いつも取っ組み合いの喧嘩ばかりしてましたよ。顔だけは殴らないというルールは守っていたけど。私は“また始まった”ぐらいに思っていて、家ではぽわ~んとしている子でしたよ」

 解散後、妙子さんは高校に通い卒業後はコンピューター会社でキーパンチャーとして働いた。

「顔バレしていた頃で、なかには“落ちこぼれ”とバカにしてくる人もいましたが、父に“ファンは大切にしろ”と厳しく言われていたので、なにを言われても笑顔でかわしていました。兄たちは自立していきましたが、私は両親と暮らしていました。親は、早く沖縄に帰りたいといつも言っていて、私が嫁げば帰れるので、OLの頃は“早く結婚しろ”といつも言われていましたね」

 親からのプレッシャー(?)で、三男・正男が経営していたバーのお客と知り合い20歳の時に結婚。翌年、長女を出産。家庭に入った。

「母のしつけが厳しくて、音楽活動しながら皿洗いや掃除はやっていました。裁縫は、危ないからと教わらず、中学の家庭科で習った程度ですが、楽しくて今も趣味でバッグを作ったりしています。子育ても楽しかったし、学校のPTAの集まりも面白くて欠かさず出ていました。私は音楽より主婦に向いていたのかな」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  4. 4

    広末涼子が危険運転や看護師暴行に及んだ背景か…交通費5万円ケチった経済状況、鳥羽周作氏と破局説も

  5. 5

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  1. 6

    芸能界を去った中居正広氏と同じく白髪姿の小沢一敬…女性タレントが明かした近況

  2. 7

    元フジ中野美奈子アナがテレビ出演で話題…"中居熱愛"イメージ払拭と政界進出の可能性

  3. 8

    中居正広氏、石橋貴明に続く“セクハラ常習者”は戦々恐々 フジテレビ問題が日本版#MeToo運動へ

  4. 9

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  5. 10

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  4. 4

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  5. 5

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ

  3. 8

    モー娘。「裏アカ」内紛劇でアイドルビジネスの限界露呈か…デジタルネイティブ世代を管理する難しさ

  4. 9

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  5. 10

    小松菜奈&見上愛「区別がつかない説」についに終止符!2人の違いは鼻ピアスだった