松尾潔
著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。

「愛の告白をする時に原稿を読む人はいません」と石破さん たまらないではないか

公開日: 更新日:

 政治と言葉の理想的な関係をさぐるのはむずかしい。ふたりの代議士に会ってしみじみ思った。

 国葬前日の9月26日の夕方、新宿西口で行われた国葬反対デモ集会にぼくは足を運んだ。スピーカーのひとりに立憲の小川淳也議員がいた。小川さんといえば、大島新監督の政治ドキュメンタリー「なぜ君は総理大臣になれないのか」で知られるが、デモに参加するイメージはあまりない。実際スピーチは受けが悪かった。喉の不調もあってリズムが悪い。アジるでもなく、ユーモアで和ませるわけでもない。聴衆より自分に言い聞かせているようにも感じられた。民主主義を取り戻そうという主張には一定の説得力があったが、この種の集会に不慣れな印象は払拭できぬまま、スピーチは終了した。

 そのあと本人と話してわかったのだが、その日の午後、彼は大井町で品川区長選の応援演説をしていた。その際に喉をかなり消耗し、本調子にはほど遠い状態だった。彼はその悔しさをぼくに語り続ける。話題が世襲議員の弊害におよぶと目が据わり、声は一段と大きくなった。熱がびんびんに伝わってくる。いまスピーチやれば聴衆の心をひとつにできたのに。内心そう思いながらも、ぼくは彼の熱さを好ましく感じた。そのとき頭に浮かんだ四字熟語は、たいへん失礼ながら「楽屋真打」。未来の名人はそこにいた! とポジティブに捉えてみたい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の芸能記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    キンプリ脱退であいた“CMの穴”に「なにわ男子」をジャニーズ事務所が猛プッシュ?

    キンプリ脱退であいた“CMの穴”に「なにわ男子」をジャニーズ事務所が猛プッシュ?

  2. 2
    巨人大盤振る舞いのナゼ? 中田翔「年俸倍増3億円・3年契約」への疑問

    巨人大盤振る舞いのナゼ? 中田翔「年俸倍増3億円・3年契約」への疑問

  3. 3
    織田信成モラハラ裁判で浮き彫りに…フィギュアスケート界が抱える「闇」

    織田信成モラハラ裁判で浮き彫りに…フィギュアスケート界が抱える「闇」

  4. 4
    「silent」で話題 夏帆の評価がようやく才能と一致…新井浩文との熱愛など人生すったもんだ

    「silent」で話題 夏帆の評価がようやく才能と一致…新井浩文との熱愛など人生すったもんだ

  5. 5
    第1子妊娠の戸田恵梨香 引退におわせは「コンプラ疲れ」か「家庭優先」か

    第1子妊娠の戸田恵梨香 引退におわせは「コンプラ疲れ」か「家庭優先」か

  1. 6
    敗血症で死去の渡辺徹さん…”献身妻”榊原郁恵との離婚危機報道の真相は?

    敗血症で死去の渡辺徹さん…”献身妻”榊原郁恵との離婚危機報道の真相は?

  2. 7
    日本シリーズ連覇狙う谷原秀人 今季はLIVゴルフで“甘い汁”吸うも…来季は用無しに

    日本シリーズ連覇狙う谷原秀人 今季はLIVゴルフで“甘い汁”吸うも…来季は用無しに

  3. 8
    俳優・渡辺徹さんが死去…妻・榊原郁恵さんとは“酒をめぐる口喧嘩”が交際のきっかけだった

    俳優・渡辺徹さんが死去…妻・榊原郁恵さんとは“酒をめぐる口喧嘩”が交際のきっかけだった

  4. 9
    山川穂高は複数年を拒否、平良は保留……西武「一難去ってまた一難」の憂鬱

    山川穂高は複数年を拒否、平良は保留……西武「一難去ってまた一難」の憂鬱

  5. 10
    広島1位・斉藤優汰 女手ひとつで育った特進クラス1位“超優等生”の伸びしろと弱点

    広島1位・斉藤優汰 女手ひとつで育った特進クラス1位“超優等生”の伸びしろと弱点