麒麟・川島明「ラヴィット!」に高まる長寿番組への期待 すでに「はなまる」の18年が視野に

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 先週11日、上島竜兵さん急死のニュースが朝一番で駆け巡り、朝の情報番組でも各局がトップで取り上げる中、異彩を放っていたのがTBS系「ラヴィット!」だ。本編ではニュースを一切取り上げないというコンセプト。この日も上島さんと接点があると思われる芸人は出演していたが、ミニ四駆の企画などを取り上げ、放送は通常運転。司会の麒麟川島明(43)はいつも通り、出演者のお笑い芸人とのトークで番組を盛り上げた。

 そして、終了5分前の9時50分になって報道センターから訃報のニュースが伝えられると、川島はコメントすることなく、無言で深々と一礼。“日本でいちばん明るい朝番組”にするというコンセプトを貫徹した川島のスタンスにSNS上では、「さすが」「プロ根性が見えた」などと称賛の声が上がった。

 こうしたバラエティーを貫徹するスタイルについては「『笑っていいとも!』のような長寿番組になるのではないか」といった声まで上がっている。

「放送開始当初は視聴率が低迷し、帯番組でのMCが初めての川島は地味過ぎるなどと酷評されたものです。川島は、博多大吉と並び、制作サイドの構成通りにソツなく仕事をこなす優等生で上品芸人との呼び方もされている。そうした特徴が悪い方に出たと言われていましたけど、早期打ち切りどころか最近は快進撃なのですから、スタッフ関係者も川島もしてやったりというところでしょう」とはスポーツ紙芸能デスク。

 番組でこだわったのが、徹底したバラエティー路線である。前述の通り、ワイドショーではお馴染みの社会問題と芸能、旬のスポーツを扱わない。朝の情報番組の“常識”を覆すアンチ作戦であった。

「冒頭からクイズコーナーがあって、芸人でもないタレントやアイドルまでもがボケ倒していく。それで大喜利になり、盛り上がりすぎて『時間がないので正解を』とのカンペが出されるのですから、確かにこれまでなかった。川島のお笑いへのこだわり、突っ込みといいフリといい、MCが抜群で、たけし、さんまと並ぶ『お笑い怪獣力』があるとまで評価を上げていますね」と続けた。

“じゃない方”扱いだった時代も

 1年前の酷評を覆した背景には、川島の逆境に打ち勝つ力があるようだ。

「麒麟としてデビューして程なく『M-1グランプリ』の決勝に進出するなど、高い実力は認められていましたけど、相方の田村裕にベストセラー『ホームレス中学生』でスポットが当たり、川島はマイクすらつけてもらえない“じゃない方”という扱いに甘んじてきました。そこで、生き残りを模索するなか、ピンネタライブをやって自分らしさを追求していった。『ラヴィット!』も、情報番組のコメンテーターは自分には向いていないので、そういう仕事ならお断りしますと答えたのが今につながる。できないことはできないと言い、代わりに得意分野、お笑いに特化させていくという覚悟が今のポジションへとつながったのだと思います」(川島を知る放送作家)

 番組低迷期、批判されても「知らんがな」と屈せず、「覚えてろ」と信じた路線で邁進したのだそうだ。

「番組終了後はスタッフと反省会をやって、もっと面白くと追求してますよ」という。TBS系では、1996年から2014年まで続いた生活情報番組「はなまるマーケット」が視野に入ってきた。その先の目標は「いいとも!」か。

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