<138>質問書で300万円の手数料の返還を促す 信じられない返信が…
2018年9月半ば時点で、早貴被告の弁護士はアプリコと契約していなかった。それでも早貴被告は野崎幸助さんの相続人であり、Fさんからすれば相手方になる。そのFさんから、早貴被告の弁護士が手数料を取ることは利益相反となるので、ご法度だ。
「それと、もし500万円分が時効であるのならば、弁護士はその証拠を示さなければ信憑性がありませんよね」
「そうですよね。私もおかしいと思いました。もし吉田さんが言っているのが本当であれば、ひどい話ですね」
それまで私とFさんの会話を黙って聞いていた息子さんが眉をひそめた。
「で、どうしたらいいんですか? 弁護士さんを雇うような余分なお金はないし……。着手金とか相当取られるんでしょ。争っても返さないって言われたらおしまいだし」
困惑しているFさんと息子さんが不憫だった。