吉田隆
著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<103>事件当日の野崎幸助さんの電話記録をテレビで証言した「謎の男性」

公開日: 更新日:

 事件を取り上げるワイドショーや情報番組のほとんどは、ウラも取らずに情報をタレ流した。

「死にたいと言っていました」

 年配の女性は死の3カ月ほど前にドン・ファンと路上で会った時の会話を証言し、それをもとにしてテレビは「自殺の可能性もありますね」とコメンテーターに言わせていた。この女性のことは知っているが、ドン・ファンとは年に数回挨拶を交わす程度の付き合いだ。彼の近況を話す人としては、あまりふさわしくないだろう。

 あまのじゃくの彼は同情を引くために「もう体がダメなんです」「死んでしまいたい」というセリフを使うことは珍しくなかったが、それが本音ではないことは私もマコやんも十二分に分かっていたので、「ああ、そうですか」と見透かした返事をするのが常だった。まともに受け止める人は周囲にいないのに、それを知ってか知らずか、テレビはそれほど親しくない人の証言を重大な事実が含まれているかのように報じたりしたのだ。

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