TBS日曜劇場「日本沈没」はフシギなドラマ 陳腐な内容なのに視聴率は好調
阪神・淡路大震災、東日本大震災の後も強い地震は各地で続いていて、このドラマが始まる直前には東京、埼玉で震度5強、始まってからも震度3以上の地震は21回も起きている。沈没や大地震のCG映像は決して絵空事ではないということで、それが高視聴率を叩き出しているのだろう。
残念なのは、そのCG映像と実写映像のマッチングが悪いことだ。たとえば、地割れから天海と椎名が逃げるシーンでは、背後のビルの崩壊と2人が走るスピードがバラバラで、昔の円谷特撮映画のようだった。せっかく豊富な予算を使っているのにもったいない。本物のデータに基づいてもうちょっと丁寧でリアルな映像はつくれなかったのか。NHKスペシャルの防災ドキュメントに明らかに負けている。
ドラマはクライマックス。日本列島は太平洋にのみ込まれるのか、迫力ある映像で見せて欲しい。
(コラムニスト・海原かみな)