<88>2度目の家宅捜索で精悍な顔つきの刑事2人に捜査協力を打診され…
刑事たちは苦笑している。
「それを読めば社長の交友関係がわかりますから」
本を指さした。
「まだ半分しか読んでいないんです。なにかあったら捜査に協力していただけますか?」
「その前にこれを見なさいよ。真夜中の家宅捜索のときにオレの腕を引っ張って家の外へ追い出されたときについたんだ」
半袖の腕をまくって青紫に内出血した箇所を示した。
「これは傷害事件でしょ。謝りに来ないうちは協力できませんから。わかるでしょ」
「まあ……」
2人は困ったように目をそらした。(つづく)