西島秀俊がキムタクを超え!シェフを演じさせたらピカイチ
西島秀俊は朝ドラの気象予報士より、料理人のほうがずっと様になる。「シェフは名探偵」(テレビ東京系)では、東京・千駄ケ谷の小さなフレンチレストラン「ビストロ・パ・マル」のシェフを演じているのだが、食材を切ったり焼いたりの手元は吹き替えだろうけれど、厨房でのしぐさや盛り付けのときの真剣なまなざしは、すでに本物である。おいしかったと喜ぶ客へのあいさつも、ちょっと照れくさそうで好ましい。ああ、あんなシェフの料理なら食べてみたい、そう思わせるのだ。
木村拓哉ではこうはならない。「グランメゾン東京」(TBS系)のカリスマシェフはいつも自信たっぷりで、「どうだ、うまいだろう」という顔をしていた。トンチンカンな注文をしようものなら、「わかっちゃいねえな」と鼻で笑われそうだった。なによりも、料理人に欠かせない清潔感と人柄が、キムタクには感じられない。どんな高級食材を使っていても、食欲が失せるドラマだった。
西島はやはりテレビ東京系「きのう何食べた?」では、あり合わせのもので手早く夕食を作る料理好きの弁護士を軽妙に演じた。サケの炊き込みごはん、鶏肉の香草パン粉焼きなどのB級グルメを手際よく作ってみせるシーンは、「深夜の飯テロ」と言われたほど鮮やかだった。