細田昌志
著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年岡山市生まれ。鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。著書に「坂本龍馬はいなかった」(彩図社)、「ミュージシャンはなぜ糟糠の妻を捨てるのか? 」(イースト新書)、「沢村忠に真空を飛ばせた男―昭和のプロモーター・野口修 評伝―」(新潮社)がある。メールマガジン「水道橋博士のメルマ旬報」に執筆中。

新参の山口洋子は旧態依然とした夜の銀座の革命児だった

公開日: 更新日:

 昭和30年代の銀座は有名店の時代であり、すなわち店の顔であるマダムの時代だった。

「サンスーシー」(西川とし)、「らどんな」(瀬尾春)、「ルパン」(高崎雪子)、「セレナーデ」(野中花)、「エスポワール」(川辺るみ子)、「おそめ」(上羽秀)……。これらの店には、政治家、財界人、文士、映画スターがそれこそ列をなすように集った。
それだけではない。“大物”が後見人として背後に控えてもいた。例えば「エスポワール」は、吉田茂の腹心としてGHQと折衝を重ね、その後は東北電力の会長職に就いた白洲次郎が店の後見人を自任していた。「おそめ」には「京都のフィクサー」として京都政財界で隠然たる力を持った山段芳春が控えていた。

 いずれにしても、この時代の銀座の高級クラブとは、エスタブリッシュメントとインテリゲンチャの“サロン”としての性格を帯びていた。ホステスに教養が求められたのは言うまでもなく、彼女たちは新聞の経済面と国際面は必ず目を通し、顧客である文士の著作はすべて通読した。その上、気の利いた反応と的確な合いの手、適度な相づちが必須条件となった。なかなかできない芸当である。当然、大卒の才媛や良家の未亡人がことごとく採用された。

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