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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

人気芸人2組がMCを務める番組の“噛み合わせ”をチェック

公開日: 更新日:

ゴールデンに昇格しても殴り込み感ゼロ

 春のテレビには芸人たちがあふれている。本業の漫才やコントを見せる番組も増えたが、それ以上に芸人がMCを務めるバラエティーが増え、既存の番組と合わせれば芸人だらけの印象だ。なかでも目立つのは「コンビ×コンビ」がMCを務める番組が多いことだ。始まったばかりということもあるが、まだ噛み合っていない感は否めない。

 たとえば、火曜20時の「バナナサンド」(TBS系)。バナナマンサンドウィッチマンがメインを務めるもので、2019年から単発で放送され、昨年7月に深夜番組としてレギュラー化、この春からめでたくゴールデンに昇格した。6日の第1回は「今最強に面白いタッグが本気のバラエティでゴールデンに殴り込みSP!」だったが、殴り込み感はゼロだった。

 この番組を最後に渡米する渡辺直美をゲストに迎え、送別会代わりの「人気芸人たちのここで踊るのかよ選手権」だったが、後輩芸人たちが披露するネタに手を叩いて笑い、後半、4人でのキャンプもおっさんたちが楽しそうだった。ちょっとは丁々発止があってもいい。第7世代をはじめ吉本芸人跋扈の中、非吉本系ということで期待は大きい。修正を。

華大と千鳥はお互い遠慮があるのか?

 6日スタート「火曜は全力!華大さんと千鳥くん」(フジテレビ系、火曜22時)もなんだかなあ~、だ。新番組といっても前作の「華丸大吉&千鳥のテッパンいただきます!」からタイトルを替えただけだし、リニューアルしてもダメなものはダメ。一から企画を練り直す必要がありそう。2組とも吉本所属、華大は福岡出身、千鳥は岡山出身とバリバリの関西弁ではないところが、吉本芸人アレルギーの視聴者にも受け入れられ、人気なのだが、お互い遠慮があるのか噛み合わない。もったいない。

 最初から全10回限定で3月に終わった「千鳥VSかまいたち」(日本テレビ系)もイマイチ。同じくかまいたちと和牛の同期2組がタッグを組んだ3日の特番「わぎゅいたち」(テレビ朝日系)も面白かったのはゲストの仲里依紗だけ。勢いあるかまいたちは単独MCの番組はどれも面白い。和牛も「情熱大陸」で自分たちの漫才に対する真摯な態度に感動したが、この番組はギブアップ。

安直さはペケ、視聴者も2倍にはならない

 コンビ×コンビでうまくいっているのは日曜21時55分「爆笑問題霜降り明星のシンパイ賞!!」(テレ朝系)か。28歳の霜降りと56歳の爆問では親子ほどの年の差があるが、そのギャップが逆に功を奏している。アシスタントの新井恵理那が緩衝材になっていてチーム感もほどよい感じ。

 そもそも人気芸人2組で番組を作れば、化学反応が起きて面白くなるという安直さがペケ。人気芸人2組で視聴者も倍になると皮算用した局も悪い。どこまで修正できるかが長続きするかどうかのポイントだ。

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