「君と翔ける」蓮見恭子著

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「君と翔ける」蓮見恭子著

 中3の祐輝は亡き父親が騎手で、中央競馬の調教拠点がある茨城県美浦村で生まれ育った。施設の乗馬スポーツ少年団に所属し、馬と親しんできた祐輝は馬に愛情を持ちつつも恐れてもいた。そして何よりも競馬に対して嫌悪感を抱いている。

 しかし、周囲に流されるまま競馬学校の騎手課程を受験することになってしまった。200人近くの応募者の中で合格したのは祐輝を含めたったの5人。その1人は受験のときからなれなれしく話しかけてきた魁人だった。魁人の父親・大坂も騎手で、実はかつて、祐輝の父親が新人だった大坂を殴るという暴力事件を起こしており、ほかにもいろいろと因縁があるが、魁人は気にしていないようだ。

 悩みながらも個性派ぞろいの仲間たちと騎手を目指す祐輝の成長を描く青春小説。 (祥伝社 924円)

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