備えあれば憂いなし 老い支度本特集

公開日: 更新日:

「ころんで、笑って、還暦じたく」山脇りこ著

「ころんで、笑って、還暦じたく」山脇りこ著

 50代半ばを過ぎた頃、料理研究家の著者は転んで右手の小指を骨折した。初めて老いを意識した瞬間だった。やがて60歳が近づくにつれ、年齢だけで社会から軽視されていく感覚を味わうように。たとえば車やビールのCMを見れば、50歳以下をターゲットにしているのが分かる。社会の付属品になったようで愕然とした。だが、自身の物忘れや、体力低下などの自覚を経て「還暦を迎える前に、少しずつ老いを受け入れる準備をしておいた方がいい」と決意。できる範囲で機嫌よく過ごすための方法をアレコレ探しだした。

 家事は早めに白旗をあげる。仕事が忙しすぎて家事放棄に至ったら、夫が洗濯好きだったことが判明してビックリ。お互いが気持ちよく暮らすには会話が大事だと改めて感じたという。

 ほかにも顔をたるませないために「声を出して新聞を読む」、自分のハッピーさに貪欲になるため「優先順位を間違えない」「身近な人に不機嫌さを無防備にさらさない」など。

 60代を人生のご褒美にするための準備の覚書。

(ぴあ 1540円)

【連載】ザッツエンターテインメント

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  2. 2

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  3. 3

    佐々木朗希“大幅減速”球速160キロに届かない謎解き…米スカウトはある「変化」を指摘

  4. 4

    ヤクルト村上宗隆 復帰初戦で故障再発は“人災”か…「あれ」が誘発させた可能性

  5. 5

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  1. 6

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  2. 7

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 8

    「皐月賞」あなたはもう当たっている! みんな大好き“サイン馬券”をマジメに大考察

  4. 9

    ヤクルト村上宗隆「メジャー430億円契約報道」の笑止…せいぜい「5分の1程度」と専門家

  5. 10

    常勝PL学園を築いた中村監督の野球理論は衝撃的だった…グラブのはめ方まで徹底して甲子園勝率.853