「青姫」朝井まかて著

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「青姫」朝井まかて著

 甲斐国巨摩郡高柳村の名主・安住又兵衛の弟である杜宇は、とある武家と悶着を起こしたせいで、村から逃げ出す羽目に陥り、いつのまにか見知らぬ土地へと迷い込んだ。

 そこは、幕府の支配を受けている様子が見られない「青姫の郷」と呼ばれる不思議な場所。不審者として見つかった杜宇は「殺されるか、捕らえられるか、逃がしてもらえるか」を選ぶ3択のくじを与えられ、「捕らえられる」のくじを引いて、青姫の館なるところへ連れていかれた。

 そこで青姫の郷の頭領・満姫に命じられたのは、米作り。米作りの経験もなく、この地で米作りをしている人も見かけないため、まず田を開くところから始める羽目に陥った彼は、試行錯誤しながら米作りに着手するが、ある日、思わぬ珍客が現れる……。

 2008年、第3回小説現代新人賞奨励賞を受賞してデビューして以降、直木賞や中央公論文芸賞など数々の賞を受賞している著者による最新作。江戸時代でありながら、なぜかくじ引きを天意として政が行われている隠れ里に迷い込んだ主人公の思いがけない運命の流転を丁寧に描いている。

(徳間書店 2200円)

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