(70)目印は毛筋が透けるほどの燈籠鬢
娘は背が高い分、脚も長い。すいすいと人の波間を進む。片や蔦重はあっぷあっぷ。
「痛てッ、足を踏んでるぞ」
「ごめんなさい」
「てめえ、肩がぶつかった」
「失礼しました」
芝居に浄瑠璃、見世物の小屋から吐き出される群衆の荒波に揉まれながらも、抜き…
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