(41)次郎兵衛が待乳山聖天に参拝
吉原から日本堤を東へ半里(二キロ)、待乳山聖天で手を合わせているのは、吉原大門横の引手茶屋「蔦屋」を率いる次郎兵衛だ。
社殿を出た次郎兵衛、山谷堀へ踵を返すのではなく渡し船に乗った。銀波、金波がさざめく大川の川面、梅雨明けは近い。
「隅田堤の上に大鳥居がちょこんと…
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