「黛家の兄弟」砂原浩太朗著
神山藩の筆頭家老・黛家の三男・新三郎は、ある日、父から大目付の黒沢家の娘りくとの縁組が決まったと聞き、胸が騒ぐ。以前、長兄の栄之丞からりくに文を届けるよう頼まれたことがあったからだ。
しかし、父によると栄之丞は藩主の次女を嫁に迎えることになったという。次兄の壮十郎は遊里通いが続いており、黒沢家は無難に新三郎を選んだようだ。
黒沢家に婿入りして新任の目付となった新三郎は、「雷丸」と名乗り、城下を騒がす無頼集団の取り締まり中、乱闘に巻き込まれ刀傷を負う。助けに現れたのは壮十郎だった。立ち合いの末、壮十郎が斬り殺したのは雷丸の頭で、次席家老漆原家の嫡男だった。
期せずして藩内の権力闘争に巻き込まれてしまった3兄弟を描く時代小説。山本周五郎賞受賞作。 （講談社 1001円）
「ファスト化する日本建築」森山高至著／扶桑社新書（選者：中川淳一郎）
日本の国鳥に「キジ」が選ばれた理由
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