「幽玄F」佐藤究著

公開日: 更新日:

「幽玄F」佐藤究著

 空を飛ぶジェット機を追いかけてどこまでも走って行く。そんな噂が流れるほど、易永透は飛行機好きだった。

 11歳のとき、父と一緒に初めて飛行機に乗った。通路を歩いていて客室乗務員に声をかけられた透は「コックピットを見せてほしいんです」と言った。結局客席に連れ戻されたのだが、飛行機を降りるとき、その客室乗務員が、機長からのプレゼントだとカレンダーを渡した。「コックピットの写真がありますよ」と。

 到着ロビーを歩きながらカレンダーを広げた透は、コックピットの写真に機長の走り書きがあるのに気づいた。

「CLEARED FOR TAKEOFF(離陸を許可する)」

 後に航空宇宙自衛隊員となり、戦闘機F-35Bで垂直離陸に挑戦するパイロットを描く長編小説。 (河出書房新社 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

  2. 2

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    二宮和也「七五三」隠し撮りに激怒の覚悟…入学式や運動会にも厳しい視線、あの俳優夫婦も警告の過去

  5. 5

    旧ジャニーズ“復活”で女帝復権か…米国でスルー状態のTravis Japanを日本メディアが一斉ヨイショの裏

  1. 6

    あの大谷翔平が苦々しい顔でインタビュー拒絶…フジテレビと“愛車無断公開犯”元木大介氏の先輩づらに嫌悪

  2. 7

    岡田阪神“強制終了”は「事実上の解任」…体調不良で異例の退任会見ナシなど誰も信じない

  3. 8

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで

  4. 9

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  5. 10

    グリズリーズ河村勇輝に試練!ルーキーが直面する超過酷な伝統「雑用係」衝撃の中身