「『おひとりさまの老後』が危ない!」上野千鶴子、髙口光子著

公開日: 更新日:

「『おひとりさまの老後』が危ない!」上野千鶴子、髙口光子著

 それまで家族(主に女性)が担っていた介護の「社会化」を理念にした介護保険制度が発足して23年が経った。しかし、3年ごとの改正を重ねるごとに、制度は理念から後退を続けている。

 本書は、「在宅ひとり死」の提唱者である上野氏と、長年、介護の現場に関わり続けてきた髙口氏が、日本の介護の現在を語り合う対談集。

 髙口氏は、介護施設を経営する大手のグループ会社にヘッドハンティングされ、20年勤務したが実は今春、解雇されたという。背景を聞いた上野氏は、その解雇の理由の裏には、施設の職員配置の基準が緩和されるなど介護保険が改悪され、施設の経営者側が生産性を追求していると指摘。さまざまなエピソードから、現場で起きている課題の本質をえぐりだす。

(集英社 1100円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド