「宙(そら)わたる教室」伊与原新著

公開日: 更新日:

「宙(そら)わたる教室」伊与原新著

 東新宿高校の定時制はフィリピンとのハーフなど、さまざまな事情を抱える生徒が多い。廃棄物回収の仕事をしている柳田岳人は、麻薬の売人に頼まれて販売ルートをつくるために高校に行っている。担任の藤竹から、自分には読み書きが困難な学習障害があることを教えられて、自分はバカではなかったのだと知った。藤竹は、定時制の教員は高校生活をあきらめた生徒がそれを取り戻す場所を用意して待っていると言う。

 ある日、実験をするのでたばこを持ってきてほしいと藤竹が頼んだ。教室にささやかな“青空”をつくると。

 科学部をつくって「火星のクレーター」再現を目指す定時制高校生を描く青春小説。

(文藝春秋 1760円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ

  2. 2

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  3. 3

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  4. 4

    趣里の結婚で揺れる水谷ファミリーと「希代のワル」と対峙した梅宮ファミリー…当時と現在の決定的な違い

  5. 5

    中国企業が発表した「ナトリウムイオン電池」の威力…リチウムイオン電池に代わる新たな選択肢に

  1. 6

    永野芽郁「かくかくしかじか」"強行突破"で慌しい動き…フジCM中止も《東村アキコ役は適役》との声が

  2. 7

    永野芽郁と田中圭は文春砲第2弾も“全否定”で降参せず…後を絶たない「LINE流出」は身内から?

  3. 8

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった

  4. 9

    水谷豊に“忖度”?NHK『BE:FIRST』特集放送に批判…民放も事務所も三山凌輝を“処分”できない事情

  5. 10

    頭が痛いのは水谷豊だけじゃない…三山凌輝スキャンダルで間宮祥太朗「イグナイト」“爆死”へ加速危機