「ぎょらん」町田そのこ著

公開日: 更新日:

「ぎょらん」町田そのこ著

 華子が4年前から交際する恋人が事故死。彼には妻子がいたが、華子を愛してくれていた。

 しかし、通夜の席で華子は知りたくなかった事実を知ってしまった。帰宅後、自室で泣いていると、ひきこもりの兄・朱鷺が勝手に入ってきた。兄は妹が不倫をしていることを知っていた。

 朱鷺はかつて漫画で読んだという、死者が死の間際に強く願ったことが小さな赤い珠になってこの世に残るという話を始める。

 その珠はイクラに似ているからぎょらんと呼ばれているらしい。それを見つけて噛めば死者の願いを共有できるそうだ。実は朱鷺はぎょらんを口にしたことがあるという。

 華子は朱鷺に連れられ、恋人が事故死した現場にぎょらんを探しに向かう。

 死者が残す「ぎょらん」を巡る連作集。

(新潮社 935円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    すい臓がんの治療が成功しやすい条件…2年前に公表の日テレ菅谷大介アナは箱根旅行

  3. 3

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  4. 4

    高市首相「午前3時出勤」は日米“大はしゃぎ”会談の自業自得…維新吉村代表「野党の質問通告遅い」はフェイク

  5. 5

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  1. 6

    「戦隊ヒロイン」ゴジュウユニコーン役の今森茉耶 不倫騒動&未成年飲酒で人気シリーズ終了にミソ

  2. 7

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  3. 8

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 9

    志茂田景樹さんは「要介護5」の車イス生活に…施設は合わず、自宅で前向きな日々

  5. 10

    NHK大河「べらぼう」に最後まで東洲斎写楽が登場しないナゼ?