「人口減少時代の農業と食」窪田新之助、山口亮子著

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「人口減少時代の農業と食」窪田新之助、山口亮子著

 日本の高齢化率は世界一の29.1%。30年後には人口1億人を割り込むと推計されている。

 この高齢化と人口減少が日本の農と食を大きく変えようとしている。人手不足で、人手に頼ることが多い野菜や果物ほど生産農家が減っている。さらに、見落とされがちだが、集荷や選別、配送など、農産物が消費者のもとに届くまでの工程にこそ危機が迫っているそうだ。

 しかし、著者らは人口減少はもろ刃の剣だという。これまでの生産や流通、消費のあり方を一部壊してしまう一方で、改革の推進力となるからだ。

 本書は、さまざまなデータから農と食の現状を明らかにしながら、物流や規模拡大、労働力不足などのテーマごとに、将来の人口減少を見すえた対策を、先行事例を取り上げ紹介するリポート。

(筑摩書房 1012円)

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