「ストロベリーナイト」 誉田哲也著

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 竹内結子が突然の死を遂げてから2年。彼女の出演作品の中でも異彩を放っているのは、初の刑事役に挑んだ〈ストロベリーナイト〉(テレビ・映画)だろう。

 過去のトラウマを抱えながら、男社会の紅一点として事件に前のめりに向かっていく姿は、それまでにない竹内の魅力が引き出されていた。本書は〈姫川玲子〉シリーズとしてサーガを形成するシリーズ第1弾だ。

【あらすじ】姫川玲子はノンキャリアとしては異例の早さ、27歳で警部補に昇進、その後まもなく警視庁本部に取り立てられ、警視庁捜査一課殺人犯捜査十係の主任を拝命。姫川が信頼を置いている監察医の國奥と一献傾けていると、臨場を要請する電話が入った。

 現場は葛飾区の都立水元公園。ため池近くの植え込みにビニールシートで厳重に包まれた男性の惨殺体が発見された。遺体には無数の小さな切り傷があり、致命傷は左頚動脈の切創。異様なのは、みぞおちから股関節にまで達する大きく長い切創で、死後に付けられたものらしい。

 事件現場に臨むと独特の感覚が発動する姫川は、単独の殺人事件ではないと見定め、捜査本部に進言する。予想通り、次なる遺体が近所から発見され、さらなる大規模な連続殺人の様相を呈していく。捜査線上に浮かんできたのが「ストロベリーナイト」という謎の言葉。これを手がかりに捜査を進めていくが、姫川の行く手には巨大な闇が待ち受けていた……。

【読みどころ】姫川が高校生のときに遭遇した事件、姫川の天敵であるガンテツこと五係主任の勝俣との相克、そして姫川に思いを寄せる部下の菊田との関係といったサイドストーリーが絡み合いながら事件は核心に迫っていく。著者渾身の骨太の警察小説。 <石>

(光文社 734円)

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