「最後の読書」津野海太郎著

公開日: 更新日:

「読む人間、書く人間、つくる(編集する)人間」として、本とともに生きてきた著者が、読書をテーマにつづるエッセー集。

 ある出版社が鶴見俊輔氏が晩年につけていたノート「もうろく帖」を活字化。その後編には脳梗塞で倒れる6日前までのメモが記されている。病に倒れた鶴見氏は、言語の機能を失うものの受信は可能、発信は不可能な状態になったという。

 驚くことに、長期の入院の末に帰宅し、亡くなるまでの3年半もの間、本を読み続けることをやめなかったと知り、老いの底は、いま自分が想像しているよりもはるかに深いようだと思いを新たにする。(「読みながら消えていく」)

 目は弱り、記憶力は衰える一方だが、それでも新しい出合いを求め手にした読書の記録。読売文学賞受賞作。

(新潮社 693円)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    秋篠宮さま会見に英メディア「反発招いたのは眞子さんが初めて」と日本の価値観の古さ指摘

    秋篠宮さま会見に英メディア「反発招いたのは眞子さんが初めて」と日本の価値観の古さ指摘

  2. 2
    日本スポーツ界はやっぱり“政府の犬” JOC山下会長「北京五輪ボイコット」めぐる発言で再露呈

    日本スポーツ界はやっぱり“政府の犬” JOC山下会長「北京五輪ボイコット」めぐる発言で再露呈

  3. 3
    TBS「報道特集」放送後に勃発! ネオニコ系農薬めぐり業界団体と研究者が“場外乱闘”

    TBS「報道特集」放送後に勃発! ネオニコ系農薬めぐり業界団体と研究者が“場外乱闘”

  4. 4
    大谷翔平の私生活は謎だらけ…オフは婚活の貴重な時間、玉の輿狙いの女子アナたちは?

    大谷翔平の私生活は謎だらけ…オフは婚活の貴重な時間、玉の輿狙いの女子アナたちは?

  5. 5
    「おぼん・こぼん」の経済効果は絶大!水ダウが生んだ“犬猿の仲”芸人は2022年もガッポリ?

    「おぼん・こぼん」の経済効果は絶大!水ダウが生んだ“犬猿の仲”芸人は2022年もガッポリ?

もっと見る

  1. 6
    橋本環奈&坂本勇人が熱愛か 一途な“巨人愛”と意外な接点

    橋本環奈&坂本勇人が熱愛か 一途な“巨人愛”と意外な接点

  2. 7
    MLB労使交渉決裂は巨人に朗報? ロックアウト不可避で優良助っ人ゴロゴロ、日本球界は買い手市場に

    MLB労使交渉決裂は巨人に朗報? ロックアウト不可避で優良助っ人ゴロゴロ、日本球界は買い手市場に

  3. 8
    ふるさと納税“返礼品パリピ”に再考促す自治体 東京23区などの税金流出は深刻

    ふるさと納税“返礼品パリピ”に再考促す自治体 東京23区などの税金流出は深刻

  4. 9
    NMB48渋谷凪咲が“新バラエティー女王”に大躍進!毒舌でも天然ボケでもないユニークな魅力とは

    NMB48渋谷凪咲が“新バラエティー女王”に大躍進!毒舌でも天然ボケでもないユニークな魅力とは

  5. 10
    小室圭さんは一度は「婚約辞退」を考えた 内定会見後のお食事会から“異変”が…

    小室圭さんは一度は「婚約辞退」を考えた 内定会見後のお食事会から“異変”が…

人気キーワード