老親・家族 在宅での看取り方
-
熱中症の相談が多数…暑さを自覚せず自宅で発症したケースも
長雨月となりようやく暦のうえでは秋となりましたが、それでもまだまだ日中は蒸し暑い日が続きます。引き続き熱中症には気を付けていただきたいと思います。 今年の夏は熱中症に関する相談が少なくありま…
-
20年間ひきこもりの60代男性「自宅にだれかを入れるのは怖い」
「人が怖いので、下を見ながら話していただけませんか? あと自宅にだれかを入れるのは怖いので、診療に来ていただける車の中や、うちの庭で診療を受けられませんか」 20年間ひきこもり生活を送りながら…
-
自分の意思に基づき自分のペースで…在宅医療の最大のメリット
訪問診療の最大のメリットはなにかといえば、それは患者さんが自らの意思に基づき患者さんのペースで治療が行えるということです。 例えば急に痛みが強くなり痛み止めの麻薬を使用したいと思った場合に、…
-
夫は家にいるのが好きな人…その家で自然体で死んでいければいい
「昨日血液を採ってもらって治療はお任せしますと言いましたが、苦しみをなくすような感じでいいので、改めて延命につながる治療はしない方向でお願いします」 在宅医療を開始してしばらくしたある日、きっ…
-
41歳の息子を看取る覚悟を決めた母親「本人は受け入れているみたい」
肝硬変を患う41歳男性の患者さんが、両親が住むご実家で先日から在宅医療を開始されています。 肝硬変の原因はさまざまです。日本で多いのはB型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルスが原因のもので、特にC…
-
元開業医の80代患者への訪問診療を通して学んでいること
先日から、フレイル状態の80代前半、元開業医の患者さんへの訪問診療を開始しています。 この方は町の診療所として40年の長きにわたって地域に寄り添い、外来をしながら時には訪問診療にも出られてい…
-
「玄関ドアの郵便受けに新聞がたまっている」は重要な情報
新人スタッフが入ると、必ず教えることのひとつが「患者さんの自宅を訪れる際は、さまざまなことに目をむけるように」です。ADL(日常生活動作)のレベルが、生活環境から見て取れるからです。それは時に、言葉…
-
あんな真っ白なところに行ったら調子悪くなる…90代独居男性は受診を断固拒否
「病院に行きたがらなくて困っています。そちらで診てくれませんか」 7月のある暑い日のことでした。新宿区内にある地域包括支援センターからそんな連絡が我々の診療所に届きました。 連絡をいた…
-
放置れされがちな皮膚疾患 特に高齢者ではQOLに大きな影響が
訪問診療先では寝たきりの患者さんも多いですから、床ずれ(褥瘡=じょくそう)や血流悪化による足の壊死(えし)に対応することは日常的です。また、高齢の方では、足腰の手術などをきっかけに歩き方に癖ができ、…
-
「ものにときめいて刺激を受けられるなんて今のうちよ!」83歳の女性患者からのアドバイス
訪問診療の現場ではたびたび人生の先輩方からアドバイスをいただきます。 「私なんてもう切り干し大根みたいになっちゃった! 時間の流れはあっという間よ~。ものにときめいて刺激を受けられるなんて若い…
-
余命1年…家族の希望で本人には末期と悟られないように療養
病気や手術の後などでどの程度で回復するのか、それともしないのかなど、その見通しを指す言葉に「予後」という言葉があります。「予後が良い」といえば順調に回復していくことを意味し、「予後が悪い」場合は、後…
-
在宅医療は医療界のバーリトゥード…「なんでもあり」が特徴
昭和の後半まで、家族を自宅で看取ることが一般的でした。しかし医療の進歩や医療政策、社会構造の変化などにより、いまや入院先の病院、介護やレクリエーションが充実した施設での看取りが一般的になっています。…
-
これまでの人生を振り返る…思い出の「棚おろし」のお手伝い
訪問診療をする中で、私たちにとって人生の先輩ともいえる患者さんやご家族の方々から貴重なお話を伺うことがあります。 90代や80代後半の方には、戦時中の記憶をはっきりとお持ちな方が少なくありま…
-
「緩和」には適切な調整が必要…痛みとの付き合い方は人それぞれ
患者さんの痛みをできるだけ取り除くことは、訪問診療の中でも非常に重要なことのひとつです。痛みがあるだけで、患者さんのQOL(生活の質)が大きく下がり、自宅での療養自体を難しくすることもあるからです。…
-
かかってくる電話はさまざま…何度でもどんな内容でも納得いくまで対応
患者さんやご家族への電話対応は、私たちが日頃から気を配って行っていることの一つです。 その内容は、往診日の打ち合わせといった事務的なものだけではありません。病状や薬についての質問の電話もあれ…
-
「広い海で舟に乗っているよう」と妻に言い残し92歳男性は旅立った
「死因は敗血症性ショックで、その原因としてはご持病の骨髄異形成症候群が濃厚かと思います」(私) ついのすみかと決めた住宅型老人ホームに奥さまと入居されている92歳の男性の方。前日に容体が悪化し…
-
訪問診療をキャンセルされることもたびたび…誰とも話したがらない63歳男性
「痛い、何やってんだよ」(患者) 「調子はいかがですか?」(私) 「悪いに決まってんだろ」(患者) 「血圧測ってもいいですか?」(私) 「嫌だって言ってるでしょ!」(患者) …
-
起きたら冷たくなっていて…母の死を確認したのは高校生の娘だった
その患者さんは、旦那さん、大学生と高校生の2人の娘さんとの4人暮らしでした。50代という若さでしたが、卵巣がんの末期。予後が限られているということもあり、今後どのように過ごしていくかという話は避けて…
-
末期肺がん80代男性「幸せな思い出をつくれた。いつ死んでもいい」
「病院の無機質な天井を見て死にたくない」 この発言を機に奥さまがネットで在宅医療の存在を調べ、家族総出で病院と討論しあった末に退院。自宅に戻られた肺がん末期の80代後半の男性患者さんがいらっし…
-
妻が怖い。このまま死んでいくのはむなしい…80代男性患者が涙ながらに訴えた
在宅医療を始められる方の事情はさまざまです。家族に見守られながら過ごす方から1人暮らしの方。またその家の経済的な事情、ご家族と患者さんとの家庭内における関係性の違いによっても、その療養環境は微妙に変…